「東大生って友達少なそう」は見当違いの偏見だ 「友達が多い人」が受験で圧倒的に有利なワケ

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そして、東大入試はほとんどすべての問題が純粋な「説明」を求める問題です。全科目記述式で、「〇〇とはどういうことか説明しなさい」という問題がほぼすべて。たとえ一度聞いたことがあったとしても、そしてある程度理解していたとしても、うまく説明できなければなんの意味もないのです。

例えば東大の有名な入試問題に、「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」というものがあります。これは、「円周率」という、みんながある程度「理解」しているものを、うまく「説明」できるのかどうかを問う問題です。

みなさんも、円周率は直径に対する円周の比で、3.1415……だということは知っていると思います。でも、この入試問題に答えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。

このように、「理解」だけではダメで、「説明」ができないとダメなんです。というかむしろ、「説明」できるレベルまで「理解」ができていない状態で、僕らは「わかった」と考えてしまいがちだと言えるのかもしれません。

みなさんも、テスト前にきちんと勉強したつもりだったのに、テストでいい点数が取れなくて苦しんだ経験ありませんか? そして答えを見たら「あー! これやったのに!」となってしまった経験、あるのではないでしょうか? 僕はそんなことばっかりで偏差値35だった人間です。

日常生活で当たり前に「説明」をしている

東大に合格する人は、日常生活の中で、この「説明」を何度も何度もしてきている人たちなのです。人前で話をして、わかりやすく相手に伝えることに慣れている。だからこそ、それを受験勉強にも活かすことができるようになっていくのです。

また、東大合格者に話を聞くと「それはまあ、当たり前にそういうことをしていたよ」と答える習慣があります。それは「クラスの友達に勉強を説明する」というものです。

クラスの友達が「ねえねえ、ここわからなかったんだけど……」と聞いてきたら、「ここはね……」と説明する。授業の後で先生が去った後に「さっき先生が言ってなかった別解を見つけたんだ!」とみんなの前で説明する。テスト前にクラスの友達を集めて勉強会を開いて、「ここはこうやって覚えるといいよ」と説明する。

こんなふうに、さまざまなところで「他人に説明する勉強」をしていた人がほとんどなのです。高校の先生に聞くと、東大合格者の多い高校ではよくこうした風景が見られるそうです。クラスや学年の垣根を超えて「教え合い」が積極的に行われる学校は、必ず合格実績がついてくるのだそうです。

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