日本好きな米国の富裕層が国内旅行で得た視点 コロナ後に向けて観光業はどうすればよいのか
新型コロナの国を越えた感染を防ぐために、世界的な「鎖国」は依然として続いている。その結果、自国内での旅行を楽しむ人々が増えている。日本のインバウンド消費に貢献してきた、外国人富裕層も例外ではない。彼らの旅行に対する選択基準も変わってきている。
アメリカのサンフランシスコに住む、弁護士のミッシェル(妻、仮名)と会計士のジェーソン(夫、仮名)は、日本旅行が大好きな40代の外国人富裕層だ。コロナ感染拡大以前は、年2回来日。年間で少なくとも200万円以上、日本で消費していたという(訪日アメリカ人の平均1人当たりの消費額は20万円/人程度)。
夫妻は、秩序があることや、清潔感も保たれていること、そして礼儀正しい日本人の姿を見て、日本をすぐに気に入った。身長が小さなミッシェルにとっては、自分に合うサイズの服を見つけやすく、細部まで追求する丁寧な作りの服が多いため、日本は最高の観光地だと感じているという。
夫妻はアメリカに帰国後も、日常の買い物を比較的高額な日系のスーパーで済ませ、親しい友人には日本への観光と買い物も勧めるほど、日本にハマったという。さらには日本語の勉強もしているそうだ。
国内旅行を気に入った3つの理由
日本に頻繁に旅行に行っていた夫妻は、アメリカの国内旅行にはそれほど関心を持っていなかった。だが、1月の台湾・日本旅行以来どこにも行けず、夏休みにどこかに行きたい気持ちが高まったため、アメリカの観光地をイチから調べ直し、結果的に居住地近くのナパバレーを3泊4日の旅行先として選んだ。その理由は次の3点だという。
1つ目は、簡単に予約可能な、ミシュランで評価の高いレストランが付近にあったことだ。ミッシェルとジェーソン夫婦のいちばんの狙いは、ナパバレーエリアのミシュラン3つ星のレストランで食べまくることだった。
ナパバレーのミシュラン3つ星のレストランは、コロナ以前だと、3カ月前からの予約も難しく、3日連続で予約をスムーズに取ることがほぼ不可能だった。しかし、レストランが再開すると、思ったより予約も簡単だったそうだ。そのため、旅行の夕食はぜんぶミシュラン3つ星のレストランを予約することができた。
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