「まず失敗せよ」リーダーに必要な2つのこと 「いきなり成功を求める」から、人は育たない
遠藤:どんなにかっこいい戦略をつくっても、実現しなければ「絵に描いた餅」になってしまう。しかも、その実現を形にするのは社員1人ひとりだから、各自が日常的に守るべき規範を定めておくということなのでしょうね。
「主観的時間」と「客観的時間」
野中:そのとおりです。遠藤さんがいつも指摘されていることですが、いくらよいことを言っても、行動につながらないならすべて無意味です。
遠藤:1日1日という日常、つまり「いま・ここ」がいかに重要かということですね。
野中:そうですね。1日は確かに24時間ですが、それは人間の捉え方によって伸び縮みします。時計が指し示す「客観的時間」というのは幅がなく、点で表されますが、「主観的時間」というものもあります。
われを忘れて仕事に没頭しているときは時計の針が進むのが早いでしょう。それこそが「主観的時間」です。心理学者ミハイ・チクセントミハイのいう「フロー体験」や仏教の「無我の境地」がそれです。
そして、イノベーションをはじめ、「創造的な物事」は、「主観的時間」でわれを忘れて没頭することからしか生まれません。
遠藤:社員の失敗を許容し、チャレンジさせること。「客観的時間」より「主観的時間」を重視すること。「ワイズカンパニー」のリーダーには、この2つが重要ということですね。
(構成:荻野進介)
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