就活現場で一気に普及「オンライン面接」の功罪 参加しやすいが、緊張感なくカンペ使う学生も

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対面面接では緊張する学生が多い。たぶん就活の最終通過儀礼として意識しているからだろう。しかし、オンライン面接ではその緊張は和らぐようだ。会社に出向くのではなく、自宅から参加している学生がリラックスできているというコメントがいくつもある。

「学生の中には緊張感が和らぐという意見が多かった」(サービス、1001人以上)

「質問によっては、深い部分まで話してくれる学生が増えたような気がする」(メーカー、301~1000人)

「応募者の環境を見ることで素を見られるように感じた」(商社・流通、301~1000人)

一方でデメリットも

メリットのひとつに「学生がリラックスしていること」があるが、それをデメリットと捉える企業もかなり多い。対面面接はハードルが高いので準備するし緊張も高まる。オンライン面接はハードルが低いので、安易に参加する学生が多い。

「気軽に参加できてしまうため、その分受けている態度や意識が低い」(情報・通信、301~1000人)

「所作や雰囲気が伝わりにくい、学生に緊張感が少ない」(金融、301~1000人)

「参加しやすいために企業研究もしっかりせず安易に応募している。対面でないと内定を断りやすいようで、簡単に辞退しているように感じる」(メーカー、301~1000人)

オンライン面接のデメリットはコミュニケーション不全だ。表層的な質疑は行えるが、いまひとつ納得感が薄いようだ。

「やはり空気感や細かい表情などが読み取りにくい」(メーカー、301~1000人)

「身だしなみなどの外形的な情報が得にくい」(商社・流通、301~1000人)

カンニングペーパーを見ながら面接する学生はリアル面接ではいないが、オンライン面接では存在する。ただし、カンペを使っていると確信しても、ディスプレイの向こうの学生を糾弾できない。これは面接官にとって心理的ストレスだ。

「顔しか見えないので、台本を見ながらしゃべっているのか、緊張しているのか判断できない」(サービス、300人以下)

「明らかにカンペを使用していた」(運輸・不動産、301~1000人)

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