ディズニー実写「ムーラン」公開がざわつくワケ なぜこれほど作品論を上回る批判が集まるのか

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中国人女優リウ・イーフェイの起用は彼女の優れた武術の腕前と演技力が理由。「ムーランを演じることのできる唯一無二の存在」と監督も絶賛する(写真:c 2020 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.)
Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

忠実にリメイクすることにこだわらなかった

ディズニー映画の最新作『ムーラン』が9月4日からディズニー公式動画配信サービスDisney+(ディズニープラス)で独占配信されました。すると、待ち兼ねたファンの間でアニメ版との比較からその公開方法に至るまで、世界中でざわざわと議論が巻き起こっています。注目されるその理由とは何でしょうか。

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「年老いた父の代わりに娘のムーランが男装して従軍し、武功を立てて故郷に帰る」。中国でいにしえより語り継がれるこの伝説が本作のインスピレーションの源です。ディズニーはすでにこれをもとに長編アニメ化した作品があり、公開した1998年当時、世界興収3億ドルを超えるヒットの実績を作っています。

90年代のアニメ映画を続々とリメイクし、『美女と野獣』や『アラジン』など10億ドル以上稼ぐ実写版の成功例もある流れから、ディズニーは人気作『ムーラン』も実写でリメイクするに至ったという背景があります。

ただし、実写版『ムーラン』は新しいアプローチで作品化することに挑戦したといわれています。村の少女から男装の兵士に、そして戦士に、さらに英雄になっていくムーランの旅路を描くことは変わらないものの、アニメ版を忠実にリメイクすることにはこだわらなかったのです。

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