この点で、日本の状況はどうでしょうか?
日本のキャッシュレス化が遅れていることは、よく知られています。
普及率は2割程度であり、9割以上の韓国や、6割の中国などに大きく水をあけられています。
政府は普及率を2025年に40%に引き上げ、さらに将来的には80%にする目標を掲げています。そして、支払額の最大5%分のポイントが還元される施策を、昨年10月の消費増税に合わせて始めました。
経済産業省によると、2019年の消費全体に占めるキャッシュレス決済比率は26.8%となり、前年より2.7ポイント上昇しました。これは、ポイント還元策の効果と考えられますが、さほど大きな変化とはいえません。
では、こうした状況は、その後、コロナの影響で変わったでしょうか?
電子マネーの比率はむしろ低下している
日本でも、新型コロナの感染拡大で、「現金に触りたくない」という人が増えたといわれます。
そして、この機会に電子マネー決済を導入した店舗のことなどが報道されています。
しかし、これについても、統計の数字では、増加を確認することができません。
日本銀行の「決済動向」によると、電子マネーによる決済動向は、下記のグラフ2点に示すとおりです(日本銀行、「決済動向」)。ここで、「電子マネー」とは、プリペイド方式のうちIC型の電子マネー(交通系や流通系)です。
(外部配信先ではグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
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