今年の就活戦線は文字どおり異例ずくめだ。その原因はもちろん新型コロナウイルスの世界的な流行だ。4月に政府が緊急事態宣言を発出したことで、企業に対して休業や在宅勤務の要請が行われた。そのため、学生が企業に訪れて行う会社説明会や筆記試験、面接などが通常通り行えない状況が続いている。
6月1日時点の内定率は前年比減少
就活生の内定獲得のペースも遅くなっている。リクルートキャリア・就職みらい研究所が行った、2021年卒生の6月1日時点の内定率は56.9%。前年の2020年卒の同時期の内定率は70.3%だったので、前年比で13.4ポイントの減少だ。月ごとの推移では4月1日時点が31.3%(前年同期21.5%)、5月1日時点が45.7%(同51.4%)。4月までの内定率は前年を上回っていたが、コロナの影響が深刻化した5月以降は下回っている。
なかでも女子の内定率の悪化が顕著だ。2020年卒の71.1%に対し、2021年卒は51.1%と、内定率は20ポイントも減少し、より際立っている。全日本空輸(ANA)や、日本航空(JAL)など、女子に人気があり採用数も一定数ある航空各社が、グループも含めて採用活動を中断している影響も少なからず出ていると思われる。
ただ、就職みらい研究所の増本全所長は、「採用選考を(当初の予定より)後ろ倒しにした企業が6月以降に内定を出していくと見られる」と語る。実際、緊急事態宣言が解除されてから、企業も本格的に採用活動を進めるようになってきており、今後、内定率は昨年並みに追いつくものと見られる。
そして、その選考はオンラインで行うWeb説明会やWeb面接が主流だ。
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