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オンライン講義がリアルの代替に留まらない訳 コロナ禍で使ってみたら新しい可能性が見えた

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私は、トラブルが生じた場合に備えて複数のデバイスを用意しているのですが、これで本当に大丈夫だろうかと、心配がなくなることはありません。

これまでのところ、何度かヒヤリとしたことはあったのですが、幸いなことに深刻なトラブルになることはありませんでした。セミナーが終了すると、本当にほっとします。

オンラインセミナーは、単に技術的な面だけから言えば、これまでも可能でした。

しかし、実際にはほとんど行われていませんでした。

それは、「セミナーや講演会は、ある場所に集まって行うもの」という固定観念が支配的だったからです。

そして、「テレビ会議で行うセミナーや講演会は、リアルな集まりの代用品」という考えが強かったからです。

したがって、よほどの事情がない限り、行うことはなかったのです。

これは在宅勤務についても言えることです。

在宅勤務はこれまでも技術的には可能でした。しかし、「オフィスワークはオフィスに集まって行うものだ」という固定観念があったために、在宅勤務は特殊な事情がある場合の例外的な代替手段としか位置づけられていなかったのです。

ところが、前回の記事(「在宅勤務がコロナ後も全然衰えなさそうな訳」2020年5月24日配信)で述べたように、在宅勤務のほうが実際に通勤するよりも優れた面があるということがわかってきました。

セミナーは、リアルよりオンラインのほうがいい

オンラインセミナーも同じです。実際に集まるよりはオンラインセミナーのほうがいい場合が多いのです。講師、参加者の双方にとってそうです。

これは、在宅勤務の場合と違うところです。勤務では、リアルなオフィスとリモートでは、違いがあります。とくに、リアルなオフィスでは、何気ない非公式の会話からアイデアが生まれてくる、あるいは問題の解決策が見つかるという場合が多いものです。

在宅勤務の場合にそのような非公式な会話が行いにくいという問題があることは、否定できません。

このような観点からリアルなオフィスが依然として必要だという意見は多くあります。そうした考えは正しいと私は思います。

一方で、講演会なりセミナーの場合には、こうした要素が少ないのです。

実際、「講師の話を聞く、資料を見る、質問をする」といったプロセスは、リアルな場に集まっても、オンラインであっても、ほとんど変わりなく行うことができます。

観客のいない劇場での公演は気が抜けたものになると言います。確かにそうでしょう。

演劇や音楽会、あるいはバレエなどでは、やはりリアルなパフォーマンスとオンラインとでは、格段の差があります。

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【インタラクション(双方向)の重要性】

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