オンライン講義がリアルの代替に留まらない訳

コロナ禍で使ってみたら新しい可能性が見えた

新しい形でのメッセージ伝達手段がセミナー・講義・講演のあり方を変えていきそうです(写真:metamorworks/PIXTA)
昨今の経済現象を鮮やかに切り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第18回。

テレビ会議の仕組みを用いたオンライン講義・講演・セミナーは、ラジオやテレビのような一方向の伝達でなく、バーチャル空間を共有し、一体感を持つ人々とのコミュニケーションです。したがって、リアルな講義・講演・セミナーの代用品ではなく、新しい可能性を拓くものです。

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新型コロナの感染拡大で集会規制が行われるようになってから、私は、テレビ会議のシステムを用いたオンラインセミナーを始めています。

すでに何回かの試みを行いました。

場合によって違いますが、私が30分から40分間程度話し、その後、参加者の方々からの質問に答えるという形式で行っています。

実施してみて、このような形で私のメッセージを伝えられる素晴らしさに感心しました。

もしかしたら、北海道の北の端からも、あるいは沖縄からも参加している人がいるかもしれません。そうした方々に向かって、私のメッセージがすぐに伝わると考えると、とてもうれしくなります。

バーチャルではあるが、空間と時間を共有する

いうまでもないことですが、テレビやラジオであっても、遠くの人にメッセージは伝わります。

しかし、放送・放映は一方向の伝達であり、テレビ会議で双方向につながっているのとは、違うものです。

放送・放映の場合には、誰であるかわからない人に対して一方的に話をしています。いわば、虚に向かって話しているのです。 

しかし、オンラインセミナーは、これとは違います。

そこに参加する限定的な数の人たちが、リアルな空間ではないけれどもバーチャルな空間を共有しているという一体感があります。バーチャルな空間では、リアルな空間の距離は消滅します。だから、一体感を持てるのです。

この一体感は、テレビやラジオの場合には、まったく持てないものです。

参加者の側から見ても、わざわざ会場まで足を運ぶ必要がなく、日本国内のどこからでも、どんなに遠隔地からでも、インターネットを通じて参加することができます。

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