オンライン講義がリアルの代替に留まらない訳 コロナ禍で使ってみたら新しい可能性が見えた

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これまでは、講演会に行こうと思っても、往復の時間を考えて断念したという場合も多かったと思います。

オンライン講演であれば、講演の間だけ時間を空ければよいわけですから、はるかに参加しやすくなっているはずです。

オンライン講演やセミナーは、講演会やセミナー会場に集まって行うリアルの講演やセミナーの代替物でなく、新しい可能性を開くものだと実感しました。

何十年も会わなかった大学のゼミの卒業生が、オンラインセミナーに参加した感想をメールで送ってくれました。

それによると、「大学時代の講義も含めて、今までの私の講義の中でいちばん熱心に聴いた」とありました。こうした知らせを受け取ることができるのは、大変楽しい経験です。

また、こういうこともありました。あるグループの定期集会でリアルな講演会を引き受けていたのですが、コロナ自粛でいったんキャンセルになりました。

そこで、これをオンライン講演会に切り替えないかと提案してみたのです。

この会は、ある業界をリタイアした方々によって構成されるグループです。当初は、新しい形態での講演について拒否反応だったのですが、たまたま行っていた別のオンラインセミナーに招待して経験してもらったところ、関心をもっていただけました。

そこで、テレビ会議の開催方法について熱心に勉強を始めてくださり、ついにオンライン講演会の開催にこぎ着けました。

そして、無事にオンラインの講演会を終了することができました。これまでになかった試みを成功できたことは、講演者である私にとってだけでなく、主催者の方々にとっても大きな喜びだったと思います。

こうした意欲を持つ方々が、日本を変えていくことになるでしょう。

心配は尽きないが…

ただし、心配の種も尽きません。

最も心配なのは、「セミナーや講演の途中でトラブルが起きたらどうしよう」ということです。

私は自宅にいるので、昼間だとセミナー中にインターホンのチャイムが鳴ってしまうこともありえます。外を通る救急車のサイレンが入ってしまうかもしれません。ただ、これらはご愛敬として許していただけるでしょう。

問題は何らかの原因で接続できなくなってしまうことです。これは深刻な心配です。また、「セミナーの途中で音声や画像の調子が悪くなった場合にどうするか」ということもあります。

録画であれば、トラブルがあれば取り直しをすればよいので、こうしたことに頭を悩ます必要はありません。しかし、リアルタイムの場合には、こうしたトラブルは致命的です。

またリアルタイムであっても、身内のテレビ会議であれば、多少のトラブルがあっても許されるでしょう。

しかし、公開しているオンラインセミナーの場合には、許されません。

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