アベノマスク「耳が痛くて使えない」呆れた実態 輸入会社社長と厚労省マスクチームの言い訳

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マスクを装着する第1の目的は、他者への感染を防ぐことだといわれているが、ガーゼマスクの効果は、決して高いとはいえないことがわかる。

一時期は、入手が困難だった「サージカルマスク」だが、今月に入ってからスーパーや量販店でも見かけるようになった。

横浜市の繁華街である関内では、洋品店に大量のサージカルマスクが積まれていた。ここの店長によると、3月上旬には、50枚入りで8000円から9000円(税抜)でも売れていた。それが今月11日時点で、2800円(税抜)。実に3分の1以下になっている。

さらに同じ横浜市内の伊勢佐木町では、中華食材店で50枚入り2200円(税込)のサージカルマスクが山のように積まれていた。

安倍首相は、マスクの下落や流通が始まったのは布マスクの配布による効果だという見解を示した。(5月6日 ニコニコ生放送での発言)

「アベノマスクを着けている人はほとんど見ない」

だが、横浜の洋品店の店長はこう話す。

「4月後半から、中国からのマスク供給が一気に増えてきました。今は他店との価格競争になっていて、毎週値段を下げないと売れなくなりました。アベノマスクの効果? 私にはわかりませんが、付けている人はほとんど見ないですよね」

上の画像をクリックすると、「コロナショック」が波及する経済・社会・政治の動きを多面的にリポートした記事の一覧にジャンプします

国は「介護事業所や保育園など」以外に、「妊婦用に約50万枚」「約6300万世帯の全住所」に布マスクを配布する計画だが、不良品が続出したことで配布が停止していた。

ようやく再開したものの、全住所のうち配布が完了しているのは、わずか610万枚でしかない(5月12日午前時点)。

新型コロナ対策として、これからの布マスク配布に意味はあるのか。今こそ、費用対効果を検証する必要があるだろう。

岩澤 倫彦 ジャーナリスト

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いわさわ・みちひこ / Michihiko Iwasawa

1966年、北海道・札幌生まれ。ジャーナリスト、ドキュメンタリー作家。報道番組ディレクターとして救急医療、脳死臓器移植などのテーマに携わり、「血液製剤のC型肝炎ウィルス混入」スクープで、新聞協会賞、米・ピーボディ賞。2016年、関西テレビ「ザ・ドキュメント 岐路に立つ胃がん検診」を監督。2020年4月、『やってはいけない、がん治療』(世界文化社)を刊行。近著に『がん「エセ医療」の罠』(文春新書)。

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