49歳、「文字起こし」に鉱脈得た彼女の快活人生 事務、編集、ライター、留学…流転の末に掴んだ

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フリーランスのライター、編集者である和久井香菜子さんに、これまでの半生を伺いました(写真:本人提供)
これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむが神髄を紡ぐ連載の第79回。

和久井香菜子さん(49歳)は、フリーランスのライター、編集者だ。

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多くの雑誌やウェブニュースサイトに記事やコラムを執筆している。

『僕は仕事ができない』という連載では、自身の仕事での失敗談などを、おもしろおかしくマンガにしていた。

また少女マンガに造詣が深く2005年に『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』という著書を上梓されている。そして少女マンガ研究家として、テレビ番組に出演し解説をしていた。

ウェブ媒体、紙媒体で活躍している和久井さんだが、書き手だけではなく実業家としての一面もある。

和久井さんは現在、合同会社ブラインドライターズの代表を務めている。主な業務内容は、クライアントから渡された音源をテキスト化する仕事だ。

例えばインタビュー記事などを書く場合、インタビュー中に音声を録音する場合が多い。そしてその音源を聞きながら文字を起こし、原稿に生かす。

「文字起こし」はライターからは「手間のかかる、できるなら省略したい仕事」と思われることが多い。その「文字起こし」を、代わりに行う会社なのだ。

スタッフは視覚に障害のある人で構成

そして合同会社ブラインドライターズのいちばんの特徴は、文字起こしをするスタッフは全員視覚に障害がある人で構成されているということだ。文字起こし以外のスタッフも車いすユーザーといった、障害のあるスタッフで構成されている。

「全員自宅作業、自由な時間に作業してOK」

というとてもフレキシブルなスタイルな環境だったため、コロナ禍の緊急事態宣言下でも、休業せずに仕事が続けることができて、被害は最小限で済んでいるという。

そもそもはその環境も、和久井さんが会社通いをストレスとしていたところからはじまっているという。

和久井さんはどのような遍歴を経てライターになり、また「プロの文字起こし集団」の代表になったのか。

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