46歳「コスチューム作り」で生きる女の稼ぎ方 高円寺の名店を18年であっさり閉じた理由

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「とにかくおカネを稼げる話がきたら何でもやってました」(写真:筆者撮影)
これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむと古田雄介が神髄を紡ぐ連載の第16回。

テレビをつければアイドルたちが華やかな衣装を身にまとい歌を歌っている。イベント会場に出掛ければコンパニオンたちが、催し物にちなんだコスチュームを着て笑顔を振りまく。近年ではハロウィーンパーティなどコスプレ文化が盛んで、趣味でさまざまな衣装を着る人も増えた。

すまきゅーさんの作業場にて(写真:筆者撮影)

今回ご紹介するCHOCOLATE CHIWAWAのすまきゅーさん(46)は、そんな衣装やコスチュームを製作している。

最近引っ越したばかりだという作業場に伺った。作業台の上には4台ミシンが並んでいて、製作途中の衣装が置かれている。忙しい中、作業の手を止めてもらって、話を聞かせていただいた。

楽しみは読書とテレビだけ

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すまきゅーさんは北海道の十勝生まれ。人の数より牛の数のほうが多いような、小さな町で生まれ育ったという。

「一人っ子で、楽しみは読書とテレビだけでしたね。学校では帰宅部で、いつもいかに早く家に帰るかってことばかり考えてました。知り合いが通学路で帰宅中の私を見掛けても、声をかけるのをためらうほど必死な顔でいつも歩いていたらしいです(笑)」

1日中テレビをチェックして、気になる番組はVHSレコーダーで録画していた。膨大な数のビデオテープはいまだ捨てずに保存してある。

高校を卒業したら、北海道を離れ東京に行こうと決めていた。北海道内なら札幌が都会だが、実家から札幌は自動車で6時間もかかる距離にあり、何があるかほとんど知らない札幌よりも、テレビで慣れ親しんだ東京のほうが、心の距離は近かった。

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