46歳「コスチューム作り」で生きる女の稼ぎ方 高円寺の名店を18年であっさり閉じた理由

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すまきゅーさんは大体のことを楽しいと思える性格なので、どんな仕事をしていても毎日ワクワクして過ごせた。

貯金するのも楽しかった。数字が増えていくのがうれしかったし、将来的には家が欲しいと思っていた。仮に家を建てるのに1億円かかるとしたら、1日7万~8万円稼げば3~4年で買うことができる。「これは、いけるんじゃないか?」と思って頑張って貯めた。

「さすがに1億円貯めるのは無理でした(笑)。でも27歳のときには1700万円の貯金ができました。なかなかですよね? このままおカネをもっと増やすにはどうしたらいいだろうと考えた末、お店を出そうと決めたんです」

働いていた編集プロダクションの経営がうまくいかなくなってきていたのも、お店を始めようと思った理由だった。仕事は激減し、月に4日くらいしか仕事がなくなってしまった。なぜかちゃんと給料は支払われていたが、台所具合は相当厳しかったらしく、社長におカネを貸してほしいと言われたりした。

古着のリサイクルショップを出すことに決めた。場所は古着の街として知られる、高円寺、お店の名前は「CHOCOLATE CHIWAWA」に決めた。

「古着なら、周りの人からいらない服を回収してきたり、委託で預かったりすれば仕入れ値はかからないので、リスクは少ないだろうと、軽い気持ちで始めました」

貯金を増やそうと思って始めたお店だったが、残念ながら貯金は増えず、逆にジワジワと減り始めた。

「まず、正直あまり売れないんですよね。それと私はお人よしなので委託で売れた場合、ほとんど委託元に渡しちゃってたんですよ。1000円で売れたら、800円とか……。なので、ほとんど儲からなかったんです」

儲からないのも困ったが、商売をして初めて気づいた困った点もあった。

「初めてのお客さんがお店に入ってきたとき『あ、しまった!! これ接客業だ!!』って気づいたんですよね。自分がほとんどアパレルショップに行かないから、古着屋が接客業だって本当にそれまで思ってなかったんです。お客さんの中には話しかけてくる人もいるし、ましてや値切ってくる人もいるし、最初のうちはホントに怖かったですよ」

ちょっと変わった人が集まってくる店に

そんな先行き不安な船出だった。店を始めてすぐに、案の定、編集プロダクションは倒産してしまい、すまきゅーさんはCHOCOLATE CHIWAWAを中心に生計を立てることになる。

「他力本願なお店にしたかったんですよね。周りが勝手に作ってくれるお店です。幸いに店内には広めのスペースがあったので、そこでイベントをさせてくれという人が集まってきました」

そうしてCHOCOLATE CHIWAWAにはちょっと変わった人が集まってくるようになった。

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