49歳、「文字起こし」に鉱脈得た彼女の快活人生 事務、編集、ライター、留学…流転の末に掴んだ

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そして、就職情報誌を作る出版社に契約社員として入社し、編集者として働き始めた。

「実は、もともと出版社に行きたいと思っていました。入社した頃はまだ20歳だったので、ハタチハタチっていろんな人に言われましたね。バブルがはじけてしばらく経って、就職情報誌の売り上げもよくなくて、あるとき契約社員は全員いっぺんにクビになりました。1年早く入社していたら、全員正社員になれていたらしいんです。しばらく『なんだよー』ってやさぐれました。

それでもどっかで働かなきゃな、と思ってコンパニオンを派遣する会社に入りました」

博物館の受付や、モーターショーや展示会で展示品の説明をするイベントコンパニオンなどを取り仕切る会社だった。
そこに事務員として入社したが、職業柄、職場には女性が多かった。

「女の園の人間関係が、段々つらくなってきました。そんな折に当時付き合っていた彼から『結婚したい』って言われたんですよ。

二つ返事で『するするー!!』って答えました。当時は、結婚したら仕事をやめて専業主婦になるつもりでした」

「やった、仕事をやめられる!!」

とうれしかったが、ただ心残りもあった。

前々から「留学をしたい」という夢があったが、周囲から反対されていた。OLをしながらも、ひそかに銀座でホステスのアルバイトをしたりしてお金をためていたのだ。

「結局、結婚か留学かというときに、みんなが留学に反対で、結婚を勧めるならしかたがないと留学は諦め、代わりに夜間の英語の専門学校に通うことにしました。もともと英語は好きだったので、もっと勉強したかったんです」

会社で働きながら専門学校に通った

昼間は会社で働きながら、月~金曜日18~21時で専門学校に通った。

「専門学校に通っていたら、毎日がすごく楽しくなってきました。昼間大学に行ってる人や、会社で働いてから来る人が多いですけど、みんなとてもアグレッシブなんですね。

彼とは1年同棲した後に結婚したんですけど、学校のみんなは毎日勉強をしているのに、会社から帰ってテレビを見ているだけの彼にだんだん不満を覚えるようになってしまいました。結果的に、半年で離婚しました。そして離婚した半年後に、専門学校を卒業しました」

卒業後は派遣社員として働くことに決めた。

実家には戻らず、25歳で初めての1人暮らしをすることになった。初めてだけに、毎月どれくらい稼いだらいいのかわからなかった。

「とにかく働きまくってましたね。昼間は派遣で働いて、夜間はカラオケボックスでアルバイトしてました。その頃に、ちょうどコラムを書かないか? という依頼がありました」

世は、インターネット社会が始まる前夜だった。

「ヤフーが日本にやってくるらしいぞ!!」

と話題になっていた。

和久井さんが離婚を決めたときに始めたバイト先の会社では検索エンジンを作っていた。

「ただ離婚の時期で、仕事がおろそかになって『もう来なくていいよ』って言われちゃいました。ただ『君の書くコラムは面白いから、外注としてコラム書いてくれないか?』って頼まれたんです」

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