学童指導員「収入減・雇い止め」厳しすぎる現実 急な環境変化で「学童ぎらい」になる子どもも

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「学童は社会資源」という認識が広がったように見えて、アキラさんやキョウコさんは嘆き、M市の保護者は憤っていた。学童への軽視は依然として残っている。

かつて3Kは、「きつい」「きたない」「危険」な仕事を指した。学童保育業界は常に人手不足だ。離職率も高い。勤続年数1〜3年の人が半数を占めるのは、「きつい」「給料が安い」「軽視される」の3Kだからだ。そこにコロナウイルス感染のリスクという「危険」も加わった。ウイルスが収束した後、指導員は働き続けているだろうか。

「存在の危機」にある学童保育

モチベーションが下がると訴えつつ、キョウコさんは仕事に行くと癒やされるのだとも話してくれた。

「社会のために危険と隣り合わせで働きながら、学童があることに感謝の気持ちを伝えてくれる保護者や、登所を自粛して家庭で子どものケアをしながらも、危険と隣合わせの現場にいる保護者のために働く私たちをねぎらう保護者、そしてなにより『学童がないと困るねん』と言ってくれる子どもたち。そういう思いに支えられていますし、人のつながりを感じられることに救われています。学童保育が社会の機能や経済活動を支えるために必要な制度だということをたくさんの人に知ってもらえたら、今の努力が報われる気がします」

学童という制度をどう維持していくのかが問われている。

須藤 みか ノンフィクションライター

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すどう みか / Mika Sudo

長く上海を拠点に活動したのち、2014年秋帰国。現在は、大阪、在日中国人のほか、子どもと読書、子どもの育ちにかかわる職業などをテーマに取材。著書に『上海ジャパニーズ』他。2009年、『エンブリオロジスト 受精卵を育む人たち』で第16回小学館ノンフィクション大賞受賞。「本好きキッズの本棚、見せて見せて!」などに連載中。

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