コロナと人類は「勝ち負けなしの共存関係」だ グローバル社会では共倒れしない道を探れ

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グローバル化した世界では未知のウイルスも一気に広がる(画像:FUTO/PIXTA)
伊藤忠商事名誉理事、元中国大使の丹羽宇一郎氏は、「世界中に猛威を振るう新型コロナウイルスは人類の新しい友だち関係と考える以外に終息の道はない」という。これまでに193の国・地域で約300万人が感染し、20万人以上の死者を出している未知のウイルスが、なぜ人類の友だちなのか。その真意を丹羽氏に語ってもらった。

我々は新型コロナのことを何もわかっていない

新型コロナウイルス(COVID-19:Corona Virus Disease 2019)が、急激に国内で感染拡大した3月は、ちょうど新刊『令和日本の大問題』の最終校正の時期と重なった。新刊にはできるだけ最新の情勢を収めようと、たびたび原稿を改めたが、校正の期限が近づくにつれ毎日のように状況は変化し、結局締切りギリギリまで変更に追われることになった。

『丹羽宇一郎 令和日本の大問題』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

新型コロナウイルスCOVID-19とは何なのだろうか。

感染症の専門家は医学的な表現をするが、私はあえて文学的に表現する。新型コロナウイルスCOVID-19は他の細菌・ウイルスと同じように、世界全体で見れば人類の新しい「友だち関係」と考える以外に共生の道はない。

こんな風に書くと、緊急事態宣言で日本中が大騒ぎの中、死者も大勢出ているというのに「友だち」とは何事かとお叱りを受けるかもしれない。だが、憤る前にすこし落ち着いて考えてみてほしい。そもそも我々は、新型コロナウイルスのことを何もわかっていないではないか。わかっているのは7番目に発見されたコロナウイルスであることと、WHOがCOVID-19と名付け、パンデミック、要注意としたことくらいだ。

世界中に感染者を広げ十数万人の死者を出していることは知っているが、それはこの新型ウイルスCOVID-19のしでかした結果であり正体ではない。相手の正体もわからないまま、騒ぎだけを大きくしても解決には結びつかないはずだ。

新型コロナウイルスは、我々には突然出現した悪魔のウイルスのように見える。しかし、人類がこの地球上に誕生して以来、人間にとり功罪はあれど、他の鳥や動物と同じく、どこかでウイルスと生きてきた。

新型コロナウイルスの大きさは100ナノメートル、1ミリの1万分の1である。べらぼうに小さい。マスクを何重にしてもやすやすと通過してしまう小さなウイルスがパンデミックを起こし、世界中を混乱させているのだ。

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