補助金に便乗「詐欺サイバー攻撃」横行の実態

伊独では申請サイトが攻撃され一時閉鎖に

今の社会不安に便乗し、世界中でサイバー攻撃が増えているが日本も例外ではない。どんな手口があり、気をつけるべき点はなんだろうか(写真:Михаил Руденко/iStock)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、休業補償や給付金などの経済対策のあり方、寄付による支援が注目されている。一方で、その金や申請者の個人情報を狙うさまざまな手口のサイバー攻撃が世界中で増えてきた。

日本の場合、全国の消費生活センターに寄せられた新型コロナウイルスに便乗した詐欺などへの相談件数は、4月8日時点で1万件を超えた。市役所などの公的機関や実在の企業を装い、現金給付やトイレットペーパーの支給に関するなりすましメールが確認されている。

海外に目を転じると、イタリアでは、政府の救済策ウェブサイトが申請受付を開始する数日前からサイバー攻撃を受け、受付日にウェブサイトを一時閉鎖した。また、ドイツでは中小企業向けの補助金申請ウェブサイトの偽物が作られ、1週間、正規のウェブサイトが閉鎖に追い込まれている。

アメリカでは経済対策法に乗じた小切手詐欺のなりすましメールやソーシャルメディアメッセージが出回り、インドでは、観光名所の売却という荒唐無稽な募金オンライン詐欺も見つかった。ビットコインの価値が急落し、困った詐欺師たちが新型コロナウイルス関連の寄付詐欺メールを始めている。

伊の救済策サイトがサイバー攻撃で一時停止

ヨーロッパで最も新型コロナウイルスによる死者数が多く深刻な被害を受けているイタリアでは、財政救済策として、自営業者やツアーガイドなどの季節労働者に対し、600ユーロ(約7万2000円)の支払いが3月16日に決定された。申し込みの受け付けは、労働・社会政策省下の全国社会保障機構のウェブサイトを通じて4月1日から始まった。

ところが、4月1日に人々がこのウェブサイトにアクセスし始めて間もなく、サイバー攻撃のため、ウェブサイトが一時停止してしまった。同日、全国社会保障機構のパスクアーレ・トリディコ長官は、労働・社会政策省の公式ツイッターを通じて「ハッカーからの激しい攻撃により、全国社会保障機構のウェブサイトは一時的に停止した」と声明を出した。それまでに33万9000件の申し込みがあったとしている。

次ページ別ユーザーの個人情報が見られるように
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 買わない生活
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT