テレビのコロナ対応に見た何とも悩ましい問題 番組制作に大きな制約、新たな手法探る必要も

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現在は5Gも導入されて、芸能人の自宅からも鮮明な画像がスマホで簡単に送られてくる。サブコンからVTRの映像も双方向で送らないといけないのだが、いまはパソコンを置けば問題なくできる。

“苦肉の策”で導入した手法だが、ひとつのやり方としてアリだろう。

「ヒルナンデス!」のこの形はあくまで期間限定だが、この「全員リモート出演」という手法を新しい“バラエティー”に進化させた番組が出てくる可能性は大いにあるのだ。

ネット会議的な手法も番組として可能性あり

現在多くの企業が在宅勤務「テレワーク」という形を取っている。そこではZoomなどを使ったネット会議が頻用され、一気に広まった感もある。

このネット会議的な「手法」も番組として何か発展させることができるはずだ。

当然私も何か番組ができないか、企画を練っているところである。

上の画像をクリックすると、「コロナショック」が波及する経済・社会・政治の動きを多面的にリポートした記事の一覧にジャンプします

テレビはこれまでも、過剰と思えるほどのコンプライアンスや予算削減といった数々の「制約」の“隙間”を縫って、新しい企画・番組を生みだしてきた。

6日に日本テレビが発表したコロナ感染拡大という状況下における「今後の番組編成指針」の中に、次の一文があった。

『「豊かな時を提供し、生活者に希望と活力を届ける健全な娯楽番組」の編成』

良質な娯楽を発信していく、というのである。

日本テレビだけではないだろう。

テレビは新型コロナウイルスという“国難”の中でも、視聴者に「安心」と「楽しさ」を提供していかなければならないのだ。

今は、感染の恐れと「正しく向き合い」ながら生放送で視聴者に情報を届け、一方でバラエティー番組のスタッフはストックや総集編でこの場をしのぎながら、「次」の番組作りをじっくりと仕込むときではないだろうか。

「コロナで大変なときに色々知恵を絞ったことがキッカケで、こんな面白い番組が生まれた」

そう言えるときが来ることを私は願っている。 

村上 和彦 TVプロデューサー、京都芸術大学客員教授

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むらかみ かずひこ / Kazuhiko Murakami

1965年生まれ、神奈川県出身。日本テレビ放送網に入社し、スポーツ局に所属。ジャイアンツ担当、野球中継、箱根駅伝などを担当する。その後制作局に移り、「スッキリ」「ヒルナンデス」「ブラックバラエティ」「24時間テレビ」など幅広いジャンルで実績を上げる。2014年、日本テレビを退社し、TVプロデュースの他、執筆、講演会など活動の場を広げている。現担当 : BSフジ「プライムオンラインTODAY」監修演出など。

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