――給食革命での新しい取り組みはありますか?
野菜の市場が足立区にはありますので、そういう環境を活用しない手はないだろう、と。そこで、北足立市場、北足立市場協会、そして足立区の3者で「あだちベジタベライフの事業協力に関する覚書」を締結しました。市場からは野菜の専門家だからこそ語れる野菜のおいしさ、効能、旬の情報などを提供していただきます。
たとえば、トマトでもいろんな種類がありますので、このトマトはこのような料理に適しているとか、適していないとか、そういった情報を提供していただいて、それを私たちの広報誌などの媒体を通じて、あるいは区のツイッターやフェイスブックなどで発信していくことで、野菜を通じたネットワークが広がっていくのではないかと考えています。
野菜の消費量を上げることになりますので、市場にとっても商売につながっていきます。
さらに、新しい取り組みとして、野菜のメニューが充実しているお店を紹介する「食の健康応援店」というパンフレットも作りました。付き出しを小鉢に入った野菜とか煮物にしていただくなど、野菜を食べることができる環境づくりにご協力いただいているお店を20軒ほど紹介しています。200軒を目標に、今後もお店を開拓していきます。
「負のスパイラル」を解消する取り組み
――給食革命の効果が発現し始めている一方で、足立区には「治安が悪い」「怖い」というイメージが拭えない側面もあるのではないでしょうか。この最大の課題については、どのような対策を考えておられますか。
“「美しいまち」は「安全なまち」”を合言葉にして、ビューティフル・ウィンドウズ運動を展開しています。かつて、米国ニューヨーク州のジュリアーニ市長が取り入れた「ブロークン・ウィンドウズ」という理論をモチーフにしたものです。小さい犯罪を徹底的にたたくことで凶悪な犯罪を抑止できる、という考え方です(*小さな窓がたくさん割られていると、それが大きな犯罪を巻き起こす巣窟になる、との意味)。
足立区は、警視庁の生活安全部と覚書を結んで警察と一体になってそのような運動に取り組んできました。その結果、ピーク時には1万6843件もあった刑法犯認知件数が、2013年は8241件にまで半減しました。ワースト圏は脱出しました。これからはさらに少なくして、「犯罪の多いまち」との看板を早く降ろさなければいけません。
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