シッター事件…子どもの預け先がない! 追い詰められる前に。安心シッター確保7カ条
母親(22)は何度も男にメールをした。しかし、返信はない。
子どもたちを引き取る時間は「連絡を取りながら決める」ことになっていた──。母親が警察署に駆け込んだのは、最後の連絡から1日あまり経った、引き取り予定日の夕方だった。
埼玉県富士見市のマンションの一室で3月17日、山田龍琥(りく)君(2)=横浜市磯子区=の遺体が見つかった。死因は窒息死。衣服は脱がされ、あざのような痕が数カ所あった。保護された弟(8カ月)は低体温症で衰弱していたものの、命に別状はなかった。神奈川県警は翌18日、ベビーシッターとして部屋で子どもたちを預かっていた物袋(もって)勇治容疑者(26)を死体遺棄の疑いで逮捕した。
この事件で世間に注目されたのは、母親が、インターネットのベビーシッター紹介サイトを通じて物袋容疑者に依頼していたことである。
今回の事件からは、ワーキングマザーがベビーシッターに頼らざるを得ない事情も浮かび上がる。彼女がかつて働いていた飲食店関係者は、
「託児所に毎夜、子どもを預けると、フルで店に入っても手取りからだいぶ引かれてしまう。結局、1カ月程度で来なくなった」
頼る隣人いない、公的支援頼れぬ 綱渡りの子育て
事件まで母親は、2人の息子と重病の父と4人で暮らしていた。働かなければ生活が苦しい。でも、託児所は使えない。
店の出番を増やそうと考えた母親は、3月5日、サイトで<大至急お願いします>とシッターの募集をかけた。
<保護支給とバイトで生活しています やっぱり(子どもが)ふたりとなると苦しく>