ホンダと日産、中国で全工場再開も拭えぬ不安

コロナはピーク越えたが、販売激減の深刻度

SUV「XR-V」などの主力車種を生産するホンダの武漢工場(写真は2017年撮影、編集部撮影)

中国に端を発した新型コロナウイルスは、イタリアや韓国、イランなど世界各地で感染が拡大。3月14日時点で世界の感染者数は14.5万人に達し、死者数は5400人を超えた。

その一方で、中国での新規感染者数はピークを越したとみられ、企業活動の復旧を急ぐ動きが本格化し始めている。感染の発生地であり自動車産業の一大集積地である湖北省武漢でも、3月11日から一部企業の操業再開が認められた。「中国や世界のサプライチェーン(供給網)に大きな影響を与える企業」であることなど対象は限定的ではあるが、最悪期はようやく脱しつつあることを国内外に印象づけた形だ。

ホンダと日産、1カ月半ぶりに操業再開

武漢市内に3工場を持つホンダは3月11日、稼働を停止していた工場の一部で生産を再開した。春節休暇を含め1カ月半ぶりの再開だ。感染対策の徹底などの条件付きで、同9日付けで地方政府から操業再開の許可を得た。日産自動車も、湖北省襄陽とその隣の河南省鄭州にある2工場の操業を3月14日までに再開。これで両社とも中国にある全工場がようやく生産再開にこぎ着けたことになる。

とはいえ、これを機に生産活動がすぐに本格化していくと見るのは早計だ。ホンダ関係者によると、11日に操業再開の許可が出たのは、ホンダの武漢第1工場とその周辺の部品メーカーのみ。再開初日の生産台数は20台、2日目も200台程度とかなり少量だ。操業許可を得た部品メーカーは一部に限られるため、当面はホンダ工場内にある部品在庫を使った限定的な生産になる。

今後は武漢の他地区にある部品メーカーにも徐々に操業再開の許可が出されていくはずだが、年間生産能力60万台を持つホンダ武漢工場がフル生産に戻るには相当の時間がかかるだろう。ホンダ広報も「現時点では生産が順次拡大していく状況ではない」と慎重な見方を示す。

武漢に生産拠点を持つある日系部品メーカーでは現地当局から操業再開を許可されたものの、全従業員の半数程度しか出勤が許可されていないという。「当面はしばらく使用していなかった設備の状況を確認しながら、徐々に稼働を上げていくレベル」(部品メーカー関係者)。中国当局は地域内の感染者数の推移を注視しつつ、慎重に操業再開の範囲を拡大させていくとみられる。

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