気候大変動が地球と人類に与えうる「12の脅威」

暗澹たる未来図が示すのは団結せよという号令

地球に起こりうるさまざまな危機を予測してみます(写真:hocus-focus/iStock)

温暖化していく地球は、いまの生活をずっと続けていきたい私たちをどんな形で脅かすのか? どれほどの損失をあたえるのだろうか?

拙著『地球に住めなくなる日: 「気候崩壊」の避けられない真実』でも詳しく書いているが、ここにあげる12の脅威は、いまの時点で最大限、具体的に描ける未来図の一部だ。実際にはもっと悲惨かもしれないし、もちろん逆もありうる。

殺人熱波、飢餓が世界を覆う?

1:頻発する殺人熱波

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、現状と二酸化炭素の排出ペースが変わらない場合、今世紀末までの平均気温の上昇幅を4℃と予測する。インドから中東の人口数百万規模の大都市では、夏の外出が命がけになる。上昇が2℃程度でも同じことが起きると考えられる。

現在、夏の平均最高気温が35℃に達する都市は世界に354カ所あるが、2050年には970に増え、8倍の16億人が生命にかかわる暑さにさらされる。仕事中に重い熱中症になる数も世界中で25万5000人になる予測だ。

いまでも10億人がヒートストレスを受け、総人口の3分の1が毎年少なくとも20日間は熱波で死ぬ危険にさらされている。気温の上昇を2℃未満に抑えても、2100年には生命の危険は総人口の半分にまで増えるだろう。抑えられなければ、世界の人口の4分の3が熱波の影響を受ける。

2:飢餓が世界を襲う

いまの世界では8億人が栄養不良で、そのうち1億人は気候変動が原因とされる。主食となる穀類の栽培では、気温が1℃上昇すると収穫量は原則的に10パーセント減少する。現在でも、小麦栽培に適した地帯は、10年ごとに約260キロメートルずつ極地方向に移動している。

気温が2℃上昇すると、地中海地域とインドの大半の農業は窮地に陥る。世界各地のトウモロコシ栽培が打撃を受け、食料供給が逼迫する。2.5℃上昇だと世界的な食料不足が起きて、必要なカロリーをまかなえなくなるだろう。

3:水没する世界

2100年には、世界の人口の5パーセントが毎年洪水に見舞われるだろう。インドネシアの首都ジャカルタは、洪水と地盤沈下で早くて2050年には完全に水没する。すでに中国の珠江(しゅこう)デルタ(スマートフォンの一大製造拠点である深圳は、まさにデルタに位置する)では、毎年夏になると洪水を避けて数十万人が避難している。

わずか1.5℃の気温上昇でも、洪水被害はいまの160~240パーセント増になり、死者は1.5倍になることが見込まれている。

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