台風「2つの末路」は、油断すると結構危ない 再び台風になる場合もある
残暑も落ち着き、すっかり秋になりました。この時期、日本にたびたび訪れるのが台風です。特に9月の台風は日本に接近・上陸するルートをとりやすく、ときには秋の冷たい空気と夏の熱い空気がぶつかってできた秋雨前線を活発にして大雨を降らせるなど、多くの被害をもたらします。
現に、今も台風18号がこの連休に日本列島に上陸しそうな予報が出ていますね。秋雨前線も日本付近に停滞しているため、大雨が心配です。
なぜ台風が発生するのか
台風というのは、もともと海面水温が26℃以上の熱帯の海で発生する熱帯低気圧です。熱帯付近では上昇気流がつねに発生しています。そして、海面付近の空気にはたくさんの水蒸気が含まれており、これが上昇気流によって上空に運ばれると、上空で冷やされて、水蒸気が水や氷の粒になります。これが積乱雲(入道雲)です。
さて、水蒸気が水や氷になるときなど、物体が状態を変えるときには、周囲と熱のやり取りをします。
熱いおしぼりで手をふいた後、なぜか手がひんやりするのは、皮膚についた水分が蒸発するときに、皮膚から熱を奪うからです。一方、水蒸気が水や氷の粒になるときは、これと反対のことが起こります。周囲に熱を放出するため、気温が上がるのです。
こうして、積乱雲がたくさんできると、周囲の空気がさらに暖かくなり、上昇気流も強まります。すると、気圧がどんどん下がっていき、熱帯低気圧ができます。そして、熱帯低気圧が地球の自転の影響を受けて回転し始めると、渦を巻くようになるのです。
熱帯低気圧がさらに発達し、中心付近の最大風速が約17m/s以上になったものが台風と呼ばれるようになります。
なお、熱帯低気圧は発生する地域によって、呼び名が変わります。東経180°より西の北西太平洋や南シナ海に存在するものは「台風」や「タイフーン」、北大西洋やカリブ海、メキシコ湾、西経180°より東の北東太平洋に存在するものは「ハリケーン」、そしてインド洋や南太平洋に存在するものは「サイクロン」と呼ばれているのです。
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