「会議を仕切っただけ」で満足する上司の迷惑さ 彼らの自己評価が高くなるやむをえない事情

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ミーティングのリーダーは、ほかの出席者よりもミーティングそのものを高く評価する傾向にある(写真:takasuu/iStock)
自分がリーダーを務めたミーティングは79%の人が「生産的」という評価を下すのに対し、同僚がリーダーを務めたミーティングになるとその数字は56%に下がると明かすのは、『SUPER MTG スーパー・ミーティング』の著者で組織心理学者のスティーヴン・ロゲルバーグ氏。「ミーティングを仕切るというのは、まことにやっかいな仕事」と語る同氏が、その真意を解説します。

上役と従業員の間で意見が食い違うことは多々ありますが、それが顕著に表れる場面が「ミーティング」です。

ミーティングの出席者の半数近くが「会議は非生産的だ」と否定的な意見を述べているのに対し、「ミーティングに出席する重役」を対象に行った調査では、かなり前向きな声が返ってきています。「極めて生産的だ」と答えた人が22%、「とても生産的だ」と答えたのが44%、「どちらかといえば生産的だ」と答えたのが27%にも上ったのです。

会議について肯定的だった人が93%もいる――なぜ上役は出席者とは正反対に、会議をこれほどまでに評価するのでしょうか?

仕切り役に起きる「過大評価」

人間というのは、自分のリーダーシップスキルを正しく評価することができません。これは、科学的に証明された事実です。

たいていの人は、自分のスキルを過大評価しています。「レイク・ウォビゴン効果」をご存じでしょうか? 自信過剰になる人間の傾向を表す用語で、たいていの人は自分の知識、スキル、能力、性格を過大に評価する傾向にあります。

つまり、簡単に言うと人間の大部分が「自分は平均より上だ」と思っているということです。いうまでもなく、大部分の人が平均より上になるのは、統計的にありえません。

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