職住近接・短時間労働がなせる技
スポーツクラブでは誰が指導しているのかということにも触れなければなるまい。
そのほとんどはクラブメンバーのボランティアである。日本でも学校外のスポーツではボランティアが指導をしているケースが多いが、ドイツでは主流なのだ。
練習はもちろん平日にもある。それでもなぜボランティアができるのかといえば、職住近接・短時間労働の傾向が強いためだ。また技術指導以外に、試合会場や練習場所の準備など、チームのためのマネジメントの仕事も必要だが、やはりメンバーがボランティアで行う。
これは実は大人の側から見ても重要だ。日本人の会社勤務ともなれば仕事関係の付き合いが中心になりやすく、定年してからようやくボランティアなどで「地域デビュー」となる。日本の大人もタコツボ型の世界にいるわけだ。加えて一昔前は体育会系風の社風のところも多かった。
ところがドイツの場合、スポーツクラブを通じて地域社会で自分とは異なる職業・立場・年齢の人間との交流が実現している。日本では社会人=会社員と考える向きがあるが、ドイツでは誰もが社会人であり、スポーツクラブでの人間交際そのものが「社会」なのだ。(下図参照)
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