日本の部活は逃げ場なし
筆者はドイツに長らく住んでいるので、昨今の日本の中学校・高校の細かい事情はわからない。ただ、筆者の日本での学生時代や見聞きしたことをまとめると、体育会系のクラブの多くは、学校で朝練があって、授業を受けて、そのあとも校内で練習。
普通に考えると生徒たちにとって生活の大半を占めるのが学校だ。そこへ「楽しみ」としてスポーツをするというよりも試合を重視する傾向が加わる。
そういう環境でも、厳しいが生徒のモチベーションを高めつつ、勘所をついた技術指導をする顧問の先生がいて、互いに敬意をもった先輩・後輩関係があり、できれば試合にも勝ちたいが、むしろ自分たちの力が最高のかたちで出せることを目標に頑張る。そういう健全な状態があれば部員たちは年齢にかかわらず苦楽を共にした仲間だ。学校での部活はまさに充実した青春の1ページだ。
しかし、度を越した勝利志向、体罰指導が有効と考え、権威を振りかざす顧問、先輩には絶対服従。そんな人間関係のクラブの場合、緊張感と苦痛しか得られず、学校は逃げ場のないタコツボと化する。昨今問題になるのは、おそらくこのような傾向の強いところではないだろうか。(下図参照)
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