(第36回)2011年度新卒採用が始まった(後編)

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・コネ入社を依頼して来る親については、自分の身になって、それが世間的に受け入れられるかどうかいま一度考えてほしい。(商社)
・親が面接等の段取りをする。議員を通して圧力をかける。(医療・福祉関連)
・親が公務員の場合、民間企業の勤務経験がないため、子どもへのアドバイスが不適格な場合が多い。たとえば、「定時に帰れない(残業がある)のは優良企業ではない」や営業手当やみなし残業代が支払われているにもかかわらず「営業職で残業代が出ないのはおかしい」「休日出勤があるのはおかしい」など、民間企業ではよくあることを否定的にとらえる。(機械)
・子どもの幸せを考えすぎるがあまり、本人のやりたいことを曲げさせてしまう。(情報処理・ソフトウエア)
・子どもが内定した後、アポなしで地方支社に来て人事部以外の社員に面談を求めた親がいた。(商社)
・匿名希望で電話をかけてくる。(情報処理・ソフトウエア)
・親が会社説明会や合同ガイダンスに来たり、電話で募集内容等を問い合わせてきたことがあった。こういうことが、子どもの就活にマイナスになることがわからないのか。(食品)
 就職活動をしているのはすでに成人となった大学生である。中には、就職活動がうまくいかない子どもに、無理して就職しなくて良いと、留年を勧める親もいる。
 親がここまで介入することを子どもはどう感じているのであろうか。迷惑に思いながらも逆らえないのか、あるいは「手伝ってくれて(代わりにやってくれて)ありがとう」ということなのか。企業側からすればどちらも「No!」であろうが、特に後者の場合には論外としかいいようがない。子どもは「自立」する気が、親は自立させる気があるのだろうか。以下は、ある商社の採用担当者からの心の叫びである。
 「就活に限った話ではないが、過保護すぎ。学生曰く、二言目には『親に相談して決めます』 “お前の人生だろーが!”」
 あきれた親のエピソードとして、ソフトウエア会社からは漫画のようなこんな驚くべき出来事も寄せられている。
「面接会場である会議室のドアに耳をつけて、中の様子をうかがっている不審人物を見たことがあります。受験者の母親ではないかと…」
 言葉を失う。恐ろしい限りである。

 では、親は子の就職活動にどう接していけばいいのか、同じく採用担当者からのメッセージを基に考えてみたい。

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