ダメな上司とムダに戦っても何も得られない訳 たいがいの人は権力に見合った能力がない

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話してもわからない上司にはなぜ伝わらない?(写真:kikuo/PIXTA)

世の中には理不尽な問題がたくさんあります。社会の理不尽な問題の多くは弱者としての若者の問題でもあります。この講座では理不尽な社会問題を取り上げて、それが「なぜ解決できないのか?」「状況がよくなるためには何をすればいいのか」を考えていきたいと思います。

「重要な話を上司に訴えても、まったく聞く耳をもってもらえない」

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私が20代の頃、何度も経験してきたことですが、これはサラリーマンの世界では“あるある”現象のようです。大多数の若者は上司にまともに話を聞いてもらえない経験を何度も何度もしているものです。

私が駆け出しのコンサルタントだった頃の具体的な経験を例に、この話を始めたいと思います。若いコンサルタントの役割はいろいろな人の声を集めて現場や末端で何が起きているのかを把握することです。

なぜ聞く耳をもたない上司がいるのか

「今年に入って値崩れが起きて、それがいちばんの問題だと認識している卸が何社もあります」

「コスト削減努力でできる範囲の対応よりも円高の進みが速いので、『国内だけの対応ではいずれ破綻する』と工場の幹部が言っています」

例えばこんなレベルの情報を現場のヒアリングで聞き取ってそれを上司に報告するわけです。

ところが同じような報告をしていても、耳を傾けてくれる上司と、まったく聞く耳をもってくれない上司がいます。

「値崩れなんてしょっちゅう起きることじゃないか。それを言い訳にしているだけだろう」

とか、

「現場の言い訳を聞いてくるのがお前の役目じゃないんだ。もっとましな情報を取ってこい」

といった反応をする上司です。

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