実際にはその後、その上司にもいろいろな方面から同じような情報が入ってくると、彼は簡単に考えを変えて、
「値崩れによる収益性低下が、主要卸がこの商品に力をいれようとしていない理由だ」
とか、
「今進めているコスト削減施策は続けるとして、海外の生産拠点を確保しなければこの問題は解決しない」
などとクライアント幹部に対して力説するようになります。
「いやいやそれ、私が2カ月前から言っていたことでしょう?」
と内心思うのですが、残念なことにこの発見は上司にとってはこの2カ月かけて総合的に情報を分析した結果たどりついた結論なので、私には何の手柄も残りません。
上司の頭の中にある部下の印象
正しいことを伝えていても聞いてもらえない。正しかったことがわかってもそれは私の貢献とはみなされない。もう1つ言ってしまうと、後の評価のタイミングでは「コミュニケーションスキルに欠け報告能力が低い」とマイナス評価されてしまう。なぜそんな理不尽なことが起きるのでしょうか。
簡単に言えばこのような理不尽な上司の対応は、上司の頭の中にある私に対する認識に原因があります。例えばこの上司が私について、このように認識していたらどうでしょう?
2. ランチや移動のときなどに、こいつが話す話題は軽薄
3. 仕事では経済の知識をひけらかすが、テレビや雑誌記事の受け売りばかり
このように上司が頭の中の印象で「こいつは軽んじてもいい部下だ」という仮説をたててしまうと、結果として私の意見は重要視されなくなります。
逆に私の話をちゃんと聞いてくれる上司の頭の中は、こんな認識かもしれません。
2. 普段の明るさはキャラで、仕事にうちこむときの真剣さは別
3. まだ知識は偏りがあるとはいえ経済の勉強は毎日しっかりしている
先ほどの別の上司と見ている私は同じでも、認識のスタンスがかなり違う。同じ話を耳にしても2人の上司が違う対応になるのは容易に想像できます。
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