大学のセンセイを始めたせいでしょうか、最近、私の周りで若者たちと「身の回りの問題解決」の議論をすることが増えました。社会の問題から会社の問題までいろいろと。それで若者たちが解決したいと考える問題の多くは、
「世の中が理不尽で、弱者にとって公平ではない」
ことに起点があるものです。
若者が世の中の理不尽に対抗していくためには、おじさんたちを正しい理屈で論破する技術が重要になります。実際、若者ニーズもここにあって、もっと理屈を研ぎ澄ましていく力を身に付けたいそうです。
そういった若者は自分から進んで世の中の理不尽と戦いたいと考えているわけではありませんが、自分にも周囲の人たちにも火の粉が降りかかってくるので、自衛策としての技術が欲しいようです。
夜な夜なそんな議論を繰り返すうちに、私のようなコンサルタントは若者の願望をサポートできるスキルを持っていることに気づきました。何しろ理屈を考えることが私の仕事の中心なのです。そんなことから読者の皆様に、「世の中の難題について、その構造を理屈で捉える考え方」のレクチャーを連載でお伝えしていきます。
さて第1回のテーマは「問題が複雑な構造になっている場合の考え方講座」です。
簡単そうに見えて複雑な問題との対決
問題があって、すぐに「犯人はこいつだ!」とわかる問題との対決は簡単です。しかし世の中にはその構造が多重構造になっているものが少なくない。すぐに解決できるかと思っても全然解決にならない面倒な問題があります。一見簡単そうに見えるのだけど実は簡単ではない。その実例を取り上げて分析してみたいと思います。
最近の若者の中には韓流が大好きな女子がたくさんいらっしゃいます。新大久保に広がる韓流アイドルショップに出かけてみたり、韓国製の化粧品を比べたり、本場の韓国料理に舌鼓をうったり。その人たちと議論したこんな問題について考えてみたいと思います。まずは私の体験談から。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら