AP大学卒業後はAP大学での成績によって行きたい部署に手を上げることができる。文・理系問わず開発職になれるのはこういった制度があるからだ。明治大学文学部の谷口夏乃さんと商学部の大亀雅秀さんが、ディスコを取材した。まずは人財部の野上健史さんと福田綾香さんに話を聞いた。
谷口夏乃さん(以下、谷口):採用試験では文系学生の何を見ますか。
野上健史さん(以下、野上):弊社は独特の価値観も持った会社なので、会社とのフィット感を重視します。自分で配属先を選ぶことができるので、自分で考えて仕事を作り出せるような人が好ましいです。会社から言われた仕事をこなすだけの人には向かないと思います。文系か理系かはあまり関係ありません。
大亀雅秀さん(以下、大亀):キャリアパスについて教えてください。

野上:入社して1カ月は本社でビジネスマナーや会社のルールなどを学びます。その後、広島にある工場で大卒だけでなく、院卒や高卒も一緒に技術研修を受けます。そして本社へ戻ってきてからAP大学へ配属されます。文系でもAP大学を卒業後にエンジニアとなって、ずっと続ける人もいます。
また、いったんエンジニアになって技術の知識を生かし、知的財産部門や広報部へ異動する人もいます。広報担当として外部へ製品説明をするときには技術経験があったほうがいいですね。
文系出身者だけをとくにサポートする制度が用意されているのではない。しかし、AP大学にいる間に技術研修をベースにさまざまな経験をすることで職種選択の幅が広がる。実際に文系学部出身でエンジニアとして活躍している女性社員Aさん(32)に話を聞いた。Aさんは関東にある私大の経済学部を卒業後、AP大学を経てレーザー技術部で仕事をしている。
大亀:文系なのになぜ開発職に就こうと思ったのですか。
Aさん:AP大学が私の人生を変えたと思います。文系学部なので入社したら購買か総務かと思っていました。しかし、AP大学で技術を学んだら技術系の仕事についていけたし面白かったのです。
谷口:文系ということで苦労はありましたか。
Aさん:大学時代に実験なんてしたことがないので、最初は実験リポートをまとめるのに苦労しました。先輩のリポートを見たり、リポートのまとめ方の本を読んだりして書き方を勉強しました。先輩たちが誤字脱字も含めてチェックしてくれるので、チェックと再提出を繰り返しているうちに書けるようになります。
Aさんは入社3年目で新技術を開発し、取引先の半導体製造コストと製造時間を大幅に削減することに成功した。通常ガラスを切るときはレーザーで切れ目を入れた後、物理的な力を加える。しかし、Aさんは力を加えずにレーザーだけで切り取る技術を開発した。
この技術は韓国の半導体製造企業に採用され、1億円以上のコストカットと製造時間30分の短縮に貢献した。物理的な力を加える装置が不要になり、その装置をオペレーションするための人件費も浮いた。
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