前回の記事(「再開発真っ只中『西武の城下町』所沢の栄枯盛衰」)の取材で所沢駅周辺を訪ね歩いて驚いたのは、その再開発の進展ぶりだった。1980年前後からベッドタウン化を進めてきた所沢は、世代交代の時期を過ぎ40年余りが経った。人口減少時代を迎えるなか、将来を見据えたまちづくりと新たな魅力づくりに真剣に取り組まなければならない状況に対峙しているようだ。
開発は所沢駅周辺だけではない
その所沢市内で進んでいる再開発は、中心地である西武線の所沢駅周辺ばかりではない。
JR武蔵野線東所沢駅周辺でも、出版大手で総合メディア産業のKADOKAWAが「ところざわサクラタウン」という拠点を設け、そこをポップカルチャーの複合施設とし、同時に社員の働く場ともする施設を現在建設中なのだ。
2015年6月には、新規事業プロジェクトとして、この地に新製造・物流拠点、図書館・美術館・博物館を融合した文化コンプレックスとまちづくりの実現を目指す「クールジャパンフォレスト構想」を発表した。
当時は世間一般、そしてとくに出版業界人が、「大手のKADOKAWAが、都心から離れて埼玉・東所沢に移転」と、驚きのあまり大いにざわついたことを記憶している。
すでに出版不況が長期化しているなか、多くの業界人がこのニュースに驚き、今後の出版界の行方をどう見定めたらよいのか迷う声をあちこちで聞いたものだ。
その東所沢の「ところざわサクラタウン」とは実際どのようなプロジェクトなのか。
前回、所沢駅周辺を取材したその足で、東所沢の地を訪ね、まずはその建設現場を見に行ってみた。
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