ジョン・カビラが2度の「長期休暇」を取った理由 休んだからこそわかったことがある

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――復帰後は週1回、金曜日のJ-WAVE「〜JK RADIO〜TOKYO
UNITED」を担当されています。2006年まで120%で働いていたとすると、帰国後は何%くらいになりましたか。

あのときと比べたら今は80%くらいですかね。もう60歳過ぎちゃいましたから、ちょうどいいペースです。実は復帰後、担当番組を週1回に減らしたいというのは僕から相談したことなんです。

理由は子どもです。小さいうちはまだよかったんですが、物心がついてくると、「パパ、朝はいつもいないね」って気づかれる気がして(笑)。朝ご飯を一緒に食べる時間が欲しいなと思って、朝のレギュラー番組は週1回にしてもらいました。

――オーストラリアで暮らした経験も影響しましたか。

そうですね。あちらは間違いなく完全に「ファミリー・ファースト」ですから。お客様が神様という考え方もなく、基本的には“Easy Going”。決して無理はしません。何のために生きているのかと問われれば、みんな「人生を楽しむため」と答えるでしょうね。

自分が満たされてる時間は長いほうがいい

――カビラさんも、そう?

まったくそのとおりじゃないですか。この世に一度生を受けた者は、楽しく充実した人生を送るべきだと思います。ここで「楽しい」というのは「ラク」という意味ではなく、自分ができることを一生懸命やって、一定の対価をいただき、その対価を使ってさらに充実した時間を過ごすということ。

自分が満たされている時間が長ければ長いほど、生きている価値があると思います。それは遊んでいるときも、仕事をしているときもそう。努力が報われていれば、満たされた気持ちになりますよね。

もちろん、一定の自己犠牲は必要ですよ。好きなことばかりやっているわけにはいかないので。でも、それは報酬的に報われることが前提だし、やっている内容に自分で意義を見出せるかどうか、というのも重要ですよね。どこかで、仕事が自分にとって人生の目的なのか手段なのかを見極めることも必要かもしれませんね。

――一方、日本では「仕事は人生の目的であるべき」という理想論があります。

そういう美学に縛られると生きづらくなってしまう気がします。いつもそんなに突き詰めて生きていられないですから。もちろん、仕事が人生の目的という人は大いに結構です。でも、その逆もありだと思うんですよ。仕事はあくまでも手段であり、そこで得た報酬でこんなことをしたい、あんなことをしたいと考える……。

今日働いて得たお金でおいしいものを食べるとか、「頑張ったから、今日はロング缶にしちゃおうかな~」とか、それくらいでいいんじゃないですかね。小さな喜びってすごく大事な気がします。

――9月、関東に直撃した台風でも多くの人がいつもどおりに出社しようとして、大混乱になりました。

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