映画「永遠の門」が迫るゴッホの創作プロセス 単純な伝記映画でなくゴッホ視点に立つ内容
美術史上最も重要かつ人気の高い画家の1人、フィンセント・ファン・ゴッホ。37歳という短い生涯において、彼が画家として活動したのはわずか10年。しかし、黄色を基調とした独特な色使いや、絵の具を勢いよく塗り重ねる力強いタッチから生まれるゴッホの絵画は、現代もなお、多くの人を魅了してやまない。
そして不器用なまでに芸術と向き合ってきたゴッホがたどった波瀾万丈の人生もまた、多くの人を惹きつけるところだ。「生前に売れた絵はたった1枚で(諸説あり)、その評価は死後に高まった」「画商として働いていた弟のテオが兄の才能を信じ、献身的にサポートをした」「南仏のアルルで画家のゴーギャンと共同生活を送るが、耳を切り落とす事件を起こしてしまった」など、ゴッホをめぐる伝説的なエピソードの数々が、ゴッホを孤高の存在へと押し上げてきた。
それだけにこれまでにも数々のゴッホに関する書籍、舞台、映画なども発表されてきた。11月8日より公開予定の映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』もそんなゴッホを題材とした1本となる。
ゴッホがどのようにして絵を描いたかを追体験
だが、本作のメガホンをとったジュリアン・シュナーベル監督は、もともと「ゴッホの映画はこれまでも多く作られていたから、もう必要ないだろう」と思っていたという。だが、“ゴッホについての伝記映画”ではなく、“アートを作るプロセスを追体験する映画”ならどうだろう、と思うようになった。
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