実録!40代で「骨年齢は70代」だった女性の盲点 見た目も若く、トレーニングもしていたが
ところが、一般的な健診では、骨密度を測定するのは50歳から。Aさんのように、骨折で整形外科を受診しても、骨密度を調べないこともあり、自分の骨密度を知っているという女性は意外と少ないものです。そのため、気づかぬうちに骨密度の低下が進み、圧迫骨折を起こしてから、初めて骨がスカスカになっていることを知る……といったケースもあります。
老化に対するイメージや感じ方は人それぞれ違うと思いますが、患者さんたちに「老化は何歳ごろから始まると思うか」聞くと、「28歳ごろの自分が心身ともにいちばんいい状態だった」と考える方が多いようです。それ以降はなんとなく疲れやすくなった、体重は変わらないのに体型が変わってきた、徹夜などの無理がきかなくなったなど、加齢による何かしらの変化を実感されているのですね。
医学的な面から考えても、女性の加齢による身体の変化は、20代後半から始まっていると言えます。それには、女性ホルモンの分泌量の変化が大きく影響しています。
女性ホルモンは後天的に増やせない
卵巣から分泌される女性ホルモンには、大きく分けるとエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。女性らしい身体をつくり、維持する役割を果たしているのが、エストロゲンで、髪や肌のうるおいを守る、血管や骨を強くする、代謝を促す、自律神経を調整するといった働きがあります。
このエストロゲンは、思春期に初潮を迎えると分泌量が高まり、20代後半にピークを迎えます。その後は緩やかなカーブを描きながら減少し、閉経前後の40代半ばから50代半ばにかけては、急激に低下。女性ホルモンの分泌量は、加齢だけでなく、生活習慣やストレスなどの影響も受けるため、20代、30代の女性でも、無理なダイエットから月経周期が乱れたり、肌や髪が乾燥したりといった不調が表れることもあります。
しかし、こうした心身の不調に女性ホルモンが関係しているとは、思いもよらない人は多いでしょう。クリニックの患者さんでも、疲労感や不眠といった不調を訴えて内科などを受診しても原因がわからず、精神科の受診を勧められたという人もいます。
女性ホルモンの分泌量やその変化には個人差がありますが、一生のうちに分泌される量は、ティースプーン約1杯分とごくわずか。この量は後天的に増やすことはできません。
だからこそ、心身ともに健やかに年齢を重ねていくためには、今現在の自分の女性ホルモン値を知り、その時々に応じたケアを行っていくことが大切なのです。そこで、定期的に冒頭のホルモンドックや、アンチエイジングドックを受けることをお勧めしているのです。
50代のBさんは、以前よりも疲れやすく、仕事をしていても集中力が続かず、やる気も起きないといった不調を抱えていました。いつも曇り空のような「どよーん」とした重い身体。もう50代だから仕方がないのかなと半ば諦めていたものの、覇気のない状態があまりにも長引くので、とうとう近所の内科に行ったそうです。
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