実録!40代で「骨年齢は70代」だった女性の盲点 見た目も若く、トレーニングもしていたが

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内科では血液検査などで「問題ない」と診断されましたが、Bさんの不調は続くので、別の内科を受診したところ、今度は「ストレスじゃない?」と、Aさんの想定外の精神科受診を勧められました。「もしかして、私、うつ病なの?」と、納得いかない気持ちを引きずりつつ、不安を抱えて精神科を受診したところ、抗うつ効果と食欲増進効果のあるお薬を処方されたものの、効果は芳しくありませんでした。

最終的に当クリニックのからだエイジングドックを受診し、詳しくホルモン値を調べたところ、潜在性の甲状腺機能低下症であることがわかりました。いわゆる「不定愁訴」と言われる症状に対しては、診断がつくまでに時間がかかってしまうことも多く、Bさんもいくつもの病院を巡る結果となってしまいました。

平均寿命と健康寿命の「差」

甲状腺機能低下症は、血液中の甲状腺ホルモンが不足する病気で、疲労感や倦怠感、集中力の低下といった症状を引き起こします。中にはうつ病のような精神状態になる人もいて、心療内科や精神科を受診してしまう人が少なくありません。

このような、原因がわかりにくい心身の不調に早めに気づき、適切な治療やケアをしていくためには、ホルモンドックなどを受けることが有効です。とくに、35歳を過ぎた女性は、1年に1度は受診していくことをお勧めします。

日本は世界でもトップクラスの長寿国で、女性の平均寿命は87歳を超えています。一方、介護などを必要とせず自立して生活できる健康寿命は約75歳と、10年以上の開きがあります。この差をできるだけ短くして、健やかに、美しく年齢を重ねていくためには、心身両面からのケアをしていくことが重要なのです。

骨密度が低下していたAさんは内服薬と食事療法による治療を始め、今では以前よりもアクティブにトレーニングに励んでいます。今までのようにやみくもに運動量を増やすのでも、負荷を上げるのでもなく、まず食事と睡眠という「土台」をしっかり見直し、そのうえでご自身の身体にとってどれくらいの運動を行うべきか、理論的に考えながら取り組んでいます。

当たり前のことですが、患者自身が、不調がどういった病気のサインなのか、そもそも病気であるのかを正しく判断するのは難しく、「これくらいなら病院に行くほどでもない」と我慢してしまうことは少なくなく、Bさんのように複数の病院を巡ることになってしまうケースも多々あります。

検査を受けるのはなんとなく気が重たいと感じ、なかなか足が向かない人も多いことでしょう。でも、アンチエイジングドックの検査時間は1時間程度で、食事など、事前の厳しい制限などもないことがほとんどです。心身の不調や衰えについて安心して相談し、前向きに年を重ねていくサポートを受けられる場所として、活用してみてはいかがでしょうか。

浜中 聡子 Dクリニック東京 ウィメンズ院長

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はまなか さとこ / Satoko Hamanaka

医学博士。北里大学大学院医学部卒業。女性のためには「前向きに年齢を重ねていくこと」の重要性を感じ、日本抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会(WOSAAM)専門医、米国抗加齢医学会(A4M)専門医、米国先端医療学会(ACAM)などの資格を多数取得。精神と身体の両面からケアすることを得意としながら、「ウェルエイジング」を提唱し臨床現場に立っている。著書に『美人増髪計画』『アフター更年期からの不調を治す50の習慣』など。

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