「わが社では女性管理職が増えない……」と悩む経営者の声を聞きます。増えないということは増やそうとしているのに、成果が出ていないということなのでしょうが、その悩みはいったい誰が解決するのか? 人事部に責任が負わされているパターンが多いのではないでしょうか。
あるネット広告企業では、社長の指示により、人事部が女性管理職の比率向上を重要なミッションとして課されていました。その1年後には、
「同業のⅮ社では、女性管理職比率が20%を超えたそうだ。うちはどうなっているんだ!」
と厳しい叱責が飛んだとのこと。
人事部にすれば、これは経営陣との連帯責任じゃないか。さらに言えば、1年や2年で女性管理職が増えるものではない……と嘆きたいのが本音ではないでしょうか。
労働力として伸びるものの、増えない女性管理職
女性管理職が増えないのは、多くの会社で同じです。女性管理職を有する企業割合を役職別にみると、約6割で大きな変化は起きていません(平成30年度雇用均等基本調査より)。管理職全体における女性比率は国際労働機関(ILO)の発表によると12%で、主要7カ国(G7)のうち最下位。しかも平均の半分以下です。
女性管理職を登用する会社が増えていない、登用している会社でも女性比率はさほど上がっていないのが実態のようです。
一方で管理職ではないものの、労働力として女性の存在は大きくなるばかり。総務省が発表している労働力調査によると、女性の就業者数は約3003万人で、就業者全体の伸びの9割近くを女性が占めています。
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