政府は2020年には女性管理職比率の30%超を目指しています。通称“2030(ニイマルサンマル)”と呼ばれていますが、どうしたら女性管理職は増えていくのか? 考えてみたいと思います。
そもそも、管理職になりえる「適齢期(30代~40代)」の女性就業者は増えつつあります。30歳前後から結婚や出産を機に仕事を辞める女性は減っています。さらに休職しても、速やかに新たな職を探して仕事が見つかるようになってきたからです。その結果、M字カーブと呼ばれた就業率のグラフは大きく変化して台型になりつつあり、女性管理職候補は「見た目」増えています。
管理職志向の薄い日本女性
ところが、働き続けることと、出世することはまた別です。日本では管理職志向が薄い女性が少なくありません。さまざまな調査でも女性の管理職志向は低く、管理職適齢期でそれが顕著に下がることも指摘されています。
仮に、20代ではバリバリ仕事をしていて、将来は管理職になりたいと考えていたとしても、結婚・出産というライフイベントを経験して、
「マイペースで仕事をしたい。だから管理職にはなりたくない」
と志向に変化が出る場合もあるでしょう。
これは管理職適齢期の女性による転職活動からも垣間見ることができます。例えば、20代で大企業に勤務、それなりの仕事を任されて、将来を嘱望されながら、結婚、出産を機に退職したⅮさん。40代で仕事を探しているものの、
「専門性を生かして、一般社員として働ける職場を探している」
とのこと。管理職として十分に活躍ができそうなキャリアがあるにもかかわらず、それを望んでいません。今でなくても、将来は管理職になりたいですか?と質問すると「とんでもない……」と謙遜ではなく、否定的なコメントが返ってきます。
それでも人手不足の時代ですから仕事は見つかりますが、筆者は「もったいない」と感じてしまいます。管理職になれば、仕事の幅が広がり、収入が増えて、やりがいも増えると感じるからですが、この発想が間違っているのかとすらと感じてしまいます。
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