日本調剤、業績悪化で就任1年で社長交代へ・・・並行して進む非上場化の行方は? 競合のアインHDが同業買収に動くなど業界内の動きも加速

就任からわずか1年での退任となった――。
調剤薬局で売り上げ業界2位の日本調剤は6月25日の定時株主総会を経て、笠井直人社長が代表権のない取締役となり、小城和紀取締役が新たな社長に就任する人事を発表した。
笠井氏は信託銀行出身で、2013年に営業統括部長として日本調剤に入社。2024年5月に社長に就任すると、同年9月には「長期ビジョン2035」と銘打った成長戦略を打ち出したが、社長就任からわずか1年で事実上の降格となった。
交代の理由は「前期の業績悪化」
同社の説明によると、社長の交代は本人からの申し出ではなく、笠井社長や創業者の三津原博会長、さらに社外取締役4人で構成する指名・報酬委員会からの答申を踏まえて決定したものだという。今回の降格人事については、会社側は「前期の業績悪化の責任をとるもの」と答えた。
確かに、日本調剤の直近業績は芳しくない。前2025年3月期決算は売上高が3605億円(前期比5.9%増)と増収を維持したものの、営業利益は62億円(同31.8%減)、当期純利益は13億9100万円(同45.5%減)と大幅な減益で着地した。

背景にあるのは、売り上げの約9割を占める調剤事業の低迷だ。
2025年3月期は店舗数を増やしたことにより、売上高は3219億円で前期比6.3%増となったが、営業利益は同11.5%減の134億円と、2019年3月期以来、6期ぶりの減益となった。
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