物乞いの数やアグレッシブさも激しい
──依然として、訳のわからない、混沌の国という印象なんですが。
強烈なイメージを放つ国ですからね。貧困レベルも、物乞いの数やアグレッシブさも激しい。一方で、数字のゼロを発見した国であり、アメリカのシリコンバレーの基盤を支えるIT人材供給国でもある。
──え、物乞いがアグレッシブ?
オート三輪に乗っていたとき、道端から物乞いが飛び掛かってきて、持ってたペットボトルを奪われた。それが空だったから、ふざけんなっ、と力いっぱい投げつけられて。堂々と物乞いしてくるし、成果がないと堂々と怒ってくるし。
──ところで今回、統計を用いたアプローチを試みたのは?
一度インドにまつわるイメージを壊してもらいたかった。道端の貧困だけ思い浮かべていると、今の経済大国インドが見えなくなる。数字は私の意見でも誰かの意見でもなく、事実を物語りますから。
──インドが大国なのは頭では理解しているんですが、いかんせん感覚との間にギャップが……。
矛盾するイメージを大量に放ち続けてる国なんです。経済発展著しいのに何で道が汚いままなんだ、何で農民は貧しいままなんだ、と当惑するかもしれない。でも人口13億に270の言語を抱える国の舵取りは難しいのが現実。中国のような1党独裁じゃないから、上海からはスラムが消えても、インドの都市からは絶対なくならない。
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