第3回 今のままでは明日はない

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最低限、課長を上回る成績が必要

担当課長が一定の評価を得るためには課長を上回る成果を出さなければならない。
 一般的に人事評価は、期首に上司と部下との間で取り決めた向こう1年または半年の働きぶり(成果や活動)について、期末時点の結果を確認する行為である。
 平時の人事評価であれば、「今期は厳しかったなあ、去年より賞与減りそうだよ」などと飲み会で酒の肴にする程度で終わるかもしれないが、戦時(企業業績の悪化時)の人事評価では、リストラ人材リストにノミネートされる重要参考資料となる。
 昇進・昇格では、おおよそ直近2~3年の人事評価結果を審査される。リストラのノミネートにおいても直近3年程度の成績が確認されるので、会社業績が悪化してから頑張って成績を上げようと奮起しても遅いのだ。
 担当課長にとって遊ぶどころか手を抜いた働きは許されない。

ここでひとつ注意すべきポイントがある。
 人事評価制度では給与や賞与査定、昇格など人事処遇へ反映させる最終評価結果を出す際に、一定の母集団の中で比較検討した上で、成績の序列を決める。「相対評価」と言われるものだ。
 等級格付け制度のある企業であれば、同じ等級の社員の中で序列を決める。
従って、管理職層では、“課長は課長の中で”、“担当課長は担当課長の中で”序列を決めるのではない。
 課長を含む“課長扱いされている”塊の母集団の中で序列が決まるのだ。

目標管理を導入している企業の方はお分かりと思うが、「業務目標の難易度」という概念がある。これは制度として「難易度」という考え方を明示しているかどうかに関わりなく、担当している業務内容、設定している目標の難易度を加味して最終的な調整が行われるということだ。
 担当課長が期初に掲げた業務目標に対して、仮に素晴らしいパフォーマンスを上げたとしてもディスカウントして評価調整されることが多い。
 実務をこなしながら、より高度で複雑なマネジメント業務を担当しているプレイングマネージャーである課長と同じ目線で評価されるためには、業務目標を超える結果が必要となる。

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