東京・中野の50坪は、70年前100万円、今1億円
――このテーマで執筆しようと思ったきっかけを聞かせてください。
「格差」がよく話題になりますが、若者と高齢者など、世代年齢の離れた者同士の格差です。資産を持つ高齢者と持たない若者、年金を潤沢に受け取る高齢者と受け取れない若者、といった具合です。しかし、若者の中でも深刻な格差があるのに、この格差に言及されることはあまりありません。この同年代間における格差について、指摘したくて、本書を書きました。
――深刻な格差とはどのようなものですか。
日本における「最高の勝者」とは、大都市圏の地価が低かった時代に土地を買った人たちと、その子や孫です。例えば中野区では、1961年の宅地価格は坪2万~3万円。つまり70年前の中野では、50坪の土地をたった100万円で買えました。
1961年の物価水準は、大卒初任給を基準に計算すると、現在の約15分の1です。よって当時の100万円は、現在の1500万円に相当します。しかし、たった1500万円です。これならば35年ローンという、気の遠くなるローンを組む必要はありません。
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