日本人よ、真の「リア充」とは土地持ちの階級だ

イケメンも外資系エリートも、結局、残念な人

頭金500万円で残額1000万円を、返済期間10年、固定金利5%で借りたとすると、月々の返済金額は11万円未満です。これならば賃貸住宅に住むのと変わりありません。年収400万円の人でも何とかなるでしょう。さらに当時は高度成長期のまっただ中なのですから、5年で土地を取得することもできたかもしれません。

一方、現在、東京23区内の平均的な住宅地では、1坪200万円はします。バブル時より値下がりしたといっても、安くはありません。50坪購入には1億円必要です。頭金を500万円として、金利2%固定、返済期間35年として計算すると、毎月の返済額は30万円を超えます。

10年未満で都内に土地を取得できる者と、35年かけて不当に高い土地を購入する者。その差は返済期間にして25年、金額にして8500万円という差があります。

――都内の住宅地に安く土地を取得した人たちの子供や孫が勝者だというのですね。

もはや1500万円で都区部内の住宅地50坪を買うことは絶対できません。しかし、先行取得者の子どもや孫は、タダ同然で土地を相続することができます。実は相続税を気にする必要もほとんどありません。2017年の統計では、死亡者数に対する相続税の課税件数の割合は、8.3%にすぎません。9割以上の相続人は、1円も相続税を支払っていないのです。

相続人はさらに資産を増やす道があります。50坪のうち、その4割に当たる20坪を分筆して他人に売ることもできるし、小規模アパートを建てて貸すことも可能です。単純計算で坪200万円とすると、分筆で4000万円が懐に転がり込みます。

――この勝者が日本型リア充ですか。

古谷 経衡(ふるや つねひら)/文筆家。1982年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う。近著に 『女政治家の通信簿』(小学館新書)、『愛国奴』(駒草出版)、『「道徳自警団」がニッポンを滅ぼす』(イースト新書)、『「意識高い系」の研究』(文春新書)、『日本型リア充の研究』(自由国民社)など(撮影:尾形文繁)

そのとおりです。日本型リア充にはもうひとつ条件があります。行動がつねに衝動的で刹那的であることです。常識的な人間はつねにリスクを考えて行動します。ですから、新しい環境に足を踏み入れるときや知らない人に会うときは緊張するし、慎重に行動します。ところが、世の中にはこうした「新規探索傾向」がやたら強く、自分の考えや行動を顧みることができない人が一定数います。

例えば、ハロウィーンで渋谷に集まり、その場のノリで自動車を横転させて喜んでいるような人です。私はこれを「非内省の人」と呼んでいます。

大都市圏の土地相続人であり、なおかつ、非内省型パーソナリティを有する人が、「日本型リア充」です。単に非内省型であれば、犯罪者になって落ちぶれていくだけですが、「日本型リア充」は土地という財産があるので、罪を犯しても生きていくことができます。

麻生氏は失言、鳩山氏は無反省でも、大丈夫

――実例を挙げていただけませんか。

著名人では元首相の麻生太郎氏や鳩山由紀夫氏が「日本型リア充」を体現していると言えるでしょう。鳩山氏は名門政治家の家に生まれたというだけで莫大な資産を相続しました。彼の刹那的な言動で、日本は大混乱しましたが、彼は一切反省していないし、自己点検もしていません。それどころか、「鳩山イニシアチブ」との造語を作って、大学等で講演を行っています。

麻生氏は鳩山氏よりも多くの財産を親から相続していると思われます。彼は何回も失言し、「失言王」とも言われていますが、それでも失言を繰り返しています。失言で政治家を辞めることになっても、まったく生活には困らないので、深く考えることなく同じことを繰り返します。

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