日本人よ、真の「リア充」とは土地持ちの階級だ イケメンも外資系エリートも、結局、残念な人

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捨てるに捨てられなかった物品を段ボール箱に詰め、レンタルトラックで運び入れて倉庫として活用しています。スペースにかなりゆとりがあるので、趣味の油絵の画材道具一式を置いているし、ガーデニングも楽しんでいます。

大都市の一等地に狭小ワンルームを借りて、その外付けとして田舎に不動産を購入するというのは、日本型リア充に対抗する唯一の手段です。しかし、これは、大都市に住む独身者を想定したプランです。家族を持った場合、こうした生活は難しいでしょう。

狙い目は、イメージよくない埼玉・川口から千葉・松戸

――日本には家族向けの優良賃貸物件が少ないです。家族で快適に暮らすにはどうすればいいのでしょうか。

本書を執筆した目的のひとつは、よそから都会へやってきた人間がいかに土地を取得するのかを示すことです。首都圏であっても土地を取得しやすい地域はあります。東京都を境目として、北側を埼玉県、北東側を千葉県に接した地域で、扇形をしていることから「住宅を取得しやすい帯状の扇状地」と名付けました。

具体的に言えば、埼玉県の川口市、草加市、八潮市、三郷市と千葉県の松戸市の5市ですが、東京都に隣接して通勤通学に便利であるにもかかわらず、不人気エリアとされています。

東京都西部と接する神奈川県川崎市や、都内西部の武蔵野市、三鷹市、調布市などと比べると、著しく不動産価格が低い。なぜ安いのかと言えば、それは単にイメージがよくないだけです。

地方人の「あこがれの大東京に住んでみたい」「東京に対する漠然としたあこがれ」が、東京の地価をつり上げると同時に、日本型リア充の人々に莫大な利益をもたらし続けているのです。

――具体的にはどれぐらいの価格で買うことができるのですか。

東京に隣接する一等地は無理ですが、準二等地に土地や家屋を取得するのは決して難しいことではありません。まず川口市では、川口駅までバス17分で築55年、土地面積28坪、建物床面積71平方メートルの物件がなんと430万円です。古民家といえる状況なので、修繕や補修に100万~150万円かかるでしょうが、それでも安い。川口駅から東京駅まで乗り換えなしで28分。バス時間を入れても、通勤時間は1時間未満で済みます。

川口市内のマンションは、荒川を隔てた東京都北区マンションと比較すると、1000万円安い。松戸市内のマンションも、江戸川を隔てた葛飾区金町のマンションと比較すると、1000万円安い。松戸は急行が止まるが、金町は各駅しか止まらない。都心部への通勤には松戸のほうが便利ですが、不動産価格は金町のほうが高い。虚栄心など捨てて、この帯状の扇状地で、中古物件を買うべきです。

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