中国が飛躍的に発展した「宋代と現代」の共通点 「史上最悪の弱腰政治家」評価の秦檜と習近平
「唐宋変革」による未曾有の繁栄
世界第2位のGDPを誇る経済大国になった中国。ですが、これは何も初めてのことではありません。歴史を振り返ると、中国は長きにわたって経済大国でした。それがはじまったのが、およそ10世紀前後、王朝でいいますと宋の時代になります。
学界の用語では「唐宋変革」といいます。唐王朝は遣唐使や唐招提寺などで、日本人にもお馴染み、最も有名な中国の王朝でしょう。その唐から宋にいたる過程で、中国は未曾有の社会変革と経済発展を経験しました。
まずは石炭・コークスの使用が広まって、かつてない大火力を利用できるようになりました。いわばエネルギー革命です。これにより、大量の金属を安価に使えるようになって、農具・武具・貨幣が豊富になりました。
その結果、農業技術・土木技術が発達し、水稲栽培も広まって、たくさんの人口が養えるようになります。6000万だった人口が1億にまで増えました。生産力が向上すると、やがて商業流通もさかんになり、商業都市も発達しました。総じて経済が飛躍的に成長したのです。
時代は、乱世でした。唐の政権が崩壊したのち、それに代替できる新たな政体が、なかなか確立できなかったのです。社会経済は確かに、長足の発展を遂げました。しかし政治外交では、混乱が続きました。各地の割拠勢力がせめぎあったのに加え、北方を支配する遊牧国家の契丹が、強盛を誇っていたからです。
10世紀の末、黄河流域から南方各地の勢力を併せて、中国の主要部を統合したのが、宋王朝です。変革した社会に応じた安定政権が、ようやく登場した観があります。実際、この宋は南北あわせて、300年の長命を保つ王朝になるのです。
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