アップル「環境配慮」が日本でも認められたワケ リサ・ジャクソン氏「バカげたアイデア」とは

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アーリーアダプターの皆さんが最新の製品に価値を感じていますが、最新でなくても価値はなくなっておらず、より高い価格で下取りすることができます。高い下取り価格が維持されることは、最新の製品が欲しい顧客の助けになるのです」(ジャクソン氏)

ジャクソン氏は今回日本を訪れ、国としての環境問題への意識の高さについて驚かされているという。アメリカで見てきた風景とは違っているというのだ。

「アメリカをはじめとする多くの国や地域では、若い世代が中心となって環境問題について熱心に牽引しており、アグレッシブとは言いませんが、より強靭な姿勢で気候変動への対応の要求を強めてきました。私たちは、そうした活動を継承し、実現させていこうという考えです。行動が見たいのです。

こうした運動は日本にも根付き始めたと思っています。だからこそ、政策決定者や製造業を手伝う道を模索したいのです。例えば、再生可能エネルギー市場について、日本は中国のようにオープンではありません。競争環境となり、最も安いクリーン電力を実現する競争が生まれるよう、日本の政策の視点から移行していくべきです。

同時に、少なくともアップルの顧客にわかっていただきたいのは、優れた製品を作る企業と、地球環境保護を推進する企業を、天秤にかける必要はない、ということです」(ジャクソン氏)

アップルが真っ先に取り組んできた再生可能エネルギーについて、日本では政策面での問題を指摘したが、同時に日本の自然に対する感覚については、もっと知りたいことだと述べた。

「日本の人々は、桜や海など、自然の美しさに信じられないほど尊敬の念を寄せており、少し驚かされました。目の前の盆栽を育てるために膨大な時間がかかっていることを知り、自然の美しさを芸術としています。私は、日本でそうした感性に触れるためにより多くの時間を過ごしたいと思っていますが、まだかなっていません」(ジャクソン氏)

やっぱり、最もクリエイティブな仕事

昨年2月のインタビューで印象的だったのは、ジャクソン氏の「アップルにおいては環境対策が最もクリエイティブな仕事である」という言葉だった。

「アップルにおける環境問題への取り組みは、引き続き、最もクリエイティブな仕事だと思っていますし、私の情熱です。私はアップルにおいて、いくつかの帽子をかぶっていますが、環境問題は私の中心にあります。本当に賢く、発明的で、革新的な人々こそ、世界のために取り組めると思っています。

世界中の企業が、われわれが行っているように、製品作りのために資源リサイクルに投資をしたら、と想像してみてください。あるいは、クリーン電力を、まるで牛乳のように買えるようになったら、と考えてみてください。世界のいくつかの地域で実現できますが、われわれの願いは地球上のあらゆる地域で実現されることです。それがアップルが今取り組んでいることです」(ジャクソン氏)

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