アップル「環境配慮」が日本でも認められたワケ リサ・ジャクソン氏「バカげたアイデア」とは

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アップルは製品へのアルミニウムを、2003年に発売したPowerBook G4シリーズの時代から採用しており、Power Mac、MacBookシリーズ、iMacをアルミニウムボディ化してきた経緯がある。同時に、アップルはApple Storeやオンラインを通じて使い終わった製品の回収や買い取りに力を入れており、集めた製品の再資源化も進めている。

ジャクソン氏は「次の問題解決へ移る」と発言したが、資源リサイクルの取り組みはほかの素材にも及ぶそうだ。

「アップルは引き続き、さまざまな種類の素材の再利用について研究しています。まだ準備が整っていないので、お話しできませんが、これまで14種類の素材について取り組んでいます。基板やはんだなどに用いられているため、目にすることはないかもしれません。11の製品で、サプライヤーとともにリサイクル素材の活用をしています」(ジャクソン氏)

アップルはサプライヤーから部品を調達して中国などで組み立てている。そのためリサイクル部材の活用はサプライヤーの協力が不可欠であり、いくら素材ができあがっても、サプライヤーが製造する際の品質に見合わなければ使うことができない。

リサイクル素材の活用は、最終的な品質とともに、サプライヤーへの配慮も行いながら進めているプロジェクトになっている。

長持ちはビジネスを毀損するか?

アップルは昨年頃から、新製品発表に際して「長持ち」という性能をアピールするようになった。例えば昨年発表されたiPhone向けソフトウェアのiOS 12は、2013年に発売されたiPhone 5sでも利用でき、5年以上現役のデバイスとして扱われてきた。

スマートフォンなど発展を続ける製品は、新機能が買い替えのきっかけを作っており、もちろん耐久性の高い製品が好まれるが、性能面での「長持ち」をアピールすることは、買い替えを抑制するメッセージとなる。

矛盾とも思えるiPhoneの長持ち性能について、その考え方を聞いた。

「長持ちするということは、アップルの創業当初から高い品質の製品を意味すると考えられてきました。スティーブ・ジョブズが、製品の見えない内側も、外側と同じように美しく作るよう強くこだわりを持っていたという話があり、世界に高い品質のものを送り出すべきだと考えてきたのです。

このことは、アップルが単に製品を作っているわけではない、と世界に認識してもらう瞬間として、極めて重要だと考えます。長い長い年月使われることを前提にデザインして製品を作ることです。そしてその取り組みは、アップルの環境に関するコミットメントの一部でもあります。

しかし、環境保護だけがその目的ではありません。ご存じのとおり、アップルには、まだまだ継続して新しいiPhoneの顧客を見つけるための十分な余地が残されています。また、サービス部門もまた、継続して成長しています。

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