アップル「環境配慮」が日本でも認められたワケ リサ・ジャクソン氏「バカげたアイデア」とは
2018年10月に発表したMacBook AirとMac miniのボディには、100%再生アルミニウムを採用しながら、見た目の美しさと堅牢性を高めることに成功した。
また2019年のアースデーには、日本のイビデンや太陽インキ製造などを含む44のサプライヤーが100%再生可能エネルギーによるアップル向けの製造を行っており、2020年に目標としていた4GWhの再生可能エネルギー調達を2018年に達成したことを発表した。
現在のアップルの環境対策は、「気候変動」「資源」「スマートケミストリー」の3つの分野で進められている。
気候変動ではエネルギー調達だけでなく、パーツの製造や製品の省電力化を通じた温室効果ガス排出を抑える取り組みだ。最新の製品への買い替えだけでなく、OSの進化によってエネルギー消費効率を向上させることも、10億台のアクティブデバイスを誇るアップルの有効な二酸化炭素排出の削減につながるというのだ。
またスマートケミストリーでは、化学物質による環境や人体への影響を起こさないための管理や科学的なイノベーションを進めるとしている。
そして、今回CEチャレンジで表彰された資源への取り組みでは、資源の削減やゴミゼロに加え、前述のリサイクルアルミのように「これから、驚くような新しい素材への取り組みを準備している」(ジャクソン氏)と語った。
政府による奨励を歓迎
「日本の優れた2つの企業・団体とともに、アメリカ企業が受賞できたことを大変誇りに思います」リサ・ジャクソン氏は日本の環境省から表彰されたことについて、率直な笑顔で喜びを表現していた。政府がこうした奨励をすることはすばらしいと、ジャクソン氏は日本の環境省の取り組みを賞賛した。
その背景には、現在のアメリカの環境対策への後ろ向きな政策姿勢にも関係がありそうだ。化学者として環境問題に取り組んできたジャクソン氏は、アップルに移る2013年まで、当時のオバマ政権の環境政策に取り組む環境保護局(EPA)の長官を務めてきた。
しかしトランプ政権に移行し、EPA長官が警備や出張などに過剰な予算を使うなど、まるでEPAを潰そうとしているような行動を取り、また発電や自動車に関する二酸化炭素排出低減の施策を取り消すなど、環境問題でアメリカは大きな後退を見ているからだ。
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