ディズニーに学ぶ幸せに仕事をする4つの思考 ディズニーランドは魔法の学校だった
ディズニーランドで働きはじめたとき、かなりやんちゃをしていたので、「バイト代」、あと「ディズニー好きな彼女を喜ばせること」以外、興味はありませんでした。
そんな人間がさまざまなシーンでよい教育を受けられたおかげで、いまのような仕事ができるようになったのですから面白いものです(笑)。
なかでも忘れられないのは、コンサルタント会社時代の上司が教えてくれた言葉です。
「人だけが、インプットを超えたアウトプットをできるんだよ!!」
機械は、インプットした数だけ確実にアウトプットすることはできるけど、人間は、たった1つインプットをしても、そのアウトプットの量は無限だというのです。
でも、その無限のアウトプットをできるようにするためには、ただ伝えるのではダメ!! なぜ、この手順なのかを一緒に考えるってことが大事……と。
例えば「身だしなみ」。これを「会社の規定だから守りましょう」と伝えたのでは、「スキあらば!!」となってしまいます。そこで、一緒に繰り返し考えてみるんです。
↓
「会社の規則だから……」
↓
「なんで、そういう規則があるんだろう?」
↓
「ゲストに不快感を与えないため」
↓
「それじゃあ、君の身だしなみはどう?」
↓
「んー、べつに不快じゃないと思うけど……」
↓
「不快じゃないのか。じゃあ、清潔感はどう?」
↓
「見る人によって違うかもしれないけど……、僕はそれなりにと思って……」
↓
「見る人みんなが清潔感を感じるにはどうしたらいいと思う?」
こうやって、自分で考えて納得しながら身に付けてきたことは、その後のアウトプットが無限となるわけです。「教える」というと、なんとなく学校の授業のように一方通行な感じがしますが、本当は教える側と教わる側が「一緒に考える」ということなのかもしれません。
ゲストの大切な思い出となるために自分ができること
今はなくなってしまったのですが、「シンデレラ城ミステリーツアー」というアトラクションがありました。このアトラクションではゲストの1人を「ヒーロー」に選び、最後に魔法の剣で悪の大王をやっつけてもらいます。そしてヒーローには、ヒーローメダルがプレゼントされます。
その昔、たまたまヒーローに選んだゲストのなかに、難病でもう2度とディズニーランドに遊びに来ることができないかもしれない子どもさんがいたそうです。
その子は、見た目では病気とはわからないため、私たちキャストも、お母さんからの手紙を読むまで、この話を知りませんでした。ヒーローに選ばれたその子は、最後にもらったヒーローメダルを首からさげて、大喜びだったそうです。病院に戻ってからも、病院の先生や看護婦さん、お見舞いに来た人たちに、「僕はシンデレラ城で悪の大王をやっつけたんだ!! だから、病気だってやっつけちゃうよ!!」と、いつも自慢げに話していたそうです。
しかし、その子は天国へ……。この話を先輩から聞いたとき、その子の短い人生のなかで、ディズニーランドでの出来事が大切な思い出になっていてほしい……と、心から願いました。
ゲスト一人ひとりにとって、ディズニーランドでの出来事が大切な思い出となるために自分ができることは、「いつでも絶対に手を抜かないこと」「いま目の前にいる相手に全力で接すること」だと気づいたのです。
だって、いま私たちの目の前にいるゲストは、もう2度と来られないかもしれないのですから。
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